サウジアラビアの支援を受けるイエメン政府は、全領土の奪還と国家主権の回復に向けた大規模な軍事作戦の開始を発表した。これは、フーシ派が紅海の要衝バブ・エル・マンデブ海峡やタイズ近郊の要地を急襲・制圧した事態を受けたものであり、4年間の停戦を経て内戦が再び激化している。
ラシャド・アル・アリーミ大統領による全領土奪還作戦の宣言
「本日、共和国の残された領土を奪還し、国家とその機関の権限を全国家土に拡大するための軍事作戦の開始を宣言する」
ラシャド・アル・アリーミ、イエメン大統領指導評議会議長
この発表に先立ち、フーシ派は西部の沿岸地域で急速な攻勢を展開し、紅海とアデン湾を結ぶ極めて重要な海上交通の要衝であるバブ・エル・マンデブ海峡を掌握していた。フーシ派の軍事報道官であるヤヒヤ・サリエ氏は、首都リヤドや東部の油田地帯であるクライスにあるサウジアラビアの国営石油企業アラムコの施設に対して弾道ミサイルとドローンによる攻撃を実行し、作戦は成功裏に目的を達成したと主張した。サウジアラビアの首都にある石油精製所の周辺では、黒煙と炎が立ち上る事態となった。
サウジアラビア主導連合による航空作戦の展開
サウジアラビア主導の有志連合は、イエメンの赤海沿岸で大規模な空爆作戦を展開していると発表した。サウジアラビア主導連合の報道官であるトゥルキ・アル・マリキ少将は、フーシ派が排除されるまで政府軍に対して全面的な作戦支援を行うと誓約した。また、同少将は、王国に対するミサイルおよびドローン攻撃に対して必要なすべての措置を講じる権利をサウジアラビアが留保しているとも述べた。サウジアラビアは2015年に、フーシ派が首都サナアを制約して国際的に承認された政府を駆逐した事を受け、アラブ連合軍の先頭に立ってイエメンに介入していた。
サウジアラビアや同盟関係にあるイエメンの諸勢力は、今回の反攻作戦に向けて数週間にわたり共同攻勢の地ならしを進めていた。歴史的に見ると、2022年に国連の仲介によって停戦が成立し、紛争の激しさは大幅に和らいでいたが、根本的な政治的対立は未解決のまま残されていた。しかし、中東全域における広範な紛争の背景のもとで7月に内戦が再燃し、今回の事態に至っている。

タイズ周辺での戦闘激化と都市の包囲リスク
タイズ市自体は政府軍の管理下にとどまっているものの、北部、東部、西部から長年にわたって包囲されており、イエメン国内で主要な激戦地の一つとなっている。防衛側にとって重要な補給路が遮断されたことで、政府軍への圧力はさらに強まっている。有志連合や政府側関係者は、紅海沿岸の要所を奪還し、国際的な海上貿易やエネルギー供給の安全を確保するための戦闘を継続する構えを見せている。