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アリがかむと罠が作動、最大140Gで巣へ引き上げる新種のクモを発見

オーストラリアの熱帯雨林で、あらかじめ仕掛けたバネ式の罠を使ってツムギアリを猛烈な勢いで巣へ引き上げる新種のクモが発見された。最大140Gという人間の想像を絶する加速度で獲物を一気に絡め取るこの驚異的な捕獲システムについて、Yahoo!ニュースおよびナショナルジオグラフィック日本版が報じている。 バリスタ・スパイダーの発見と驚異の罠システム 2023年、生物医学研究者でありクモの分類学者でもあるグレッグ・アンダーソン氏は、オーストラリアのヨーク岬半島の熱帯雨林でクモの調査中、巣とは別に罠のようなものを仕掛ける小さなクモに遭遇した。大きさは最大でも1円玉ほどである。このクモは巣から下の葉へ糸を伸ばし、何本もの糸をぴんと張って葉の上に円錐形の罠を作り上げていた。ナショナルジオグラフィック日本版によると、古代の兵器である弩砲になぞらえて「バリスタ・スパイダー」と呼ばれるこのクモは、Propostira属に属する新種とみられており、まだ学名はないものの、精巧なバネ式の罠を用いるこうした捕獲システムの発見は初めてとなる。 写真:ナショナルジオグラフィック日本版 ツムギアリを狙う勇敢な狩りの瞬間 攻撃的な性格で知られるツムギアリは、強力な顎での噛みつきや傷口への酸の噴射を行うため、あえて狙う捕食者はほとんどいない。しかしバリスタ・スパイダーはこのアリを標的にしており、ツムギアリが葉の上で触角を使い罠を調べてから噛みついた瞬間、罠が葉から外れる仕掛けになっている。次の瞬間、アリはカタパルトで撃ち出されたかのように一気にクモの巣へと引き上げられ、もがけばもがくほど糸が絡まって逃げられなくなる。一瞬の出来事であったため当初は全貌がつかめず、数年後にマッコーリー大学の昆虫学者であるアジェイ・ナレンドラ氏らが現地を再訪し、ハイスピードカメラによる撮影で詳細な分析が行われた。 ハイスピードカメラが捉えた並外れたスピード 研究チームがクモの巣の周囲に複数のハイスピードカメラを設置して夜間の狩りを撮影したところ、コマ送りでなければ視認できないほどの劇的な瞬間が捉えられた。「文字通り、あるコマにいたアリが、次のコマでは消えていました」とナレンドラ氏はナショナルジオグラフィック日本版の取材に対して振り返っている。あの罠の動きが並外れて速く、それまでに見たことがないものだったと語る通り、映像の分析によってその物理的な凄まじさが裏付けられた。この成果は、2026年6月22日付けで学術誌「Current Biology」に発表されている。 ジェット戦闘機を凌駕する驚異的な加速度と出力 研究チームの映像分析によれば、この罠は同じ重さの糸を使用する他のクモの網と比較して、より大きな運動エネルギーを生み出し、瞬間的な出力も上回っている。計算上、この糸の罠の重さが1キログラムだった場合、作動時に最大で約12メガワットもの出力を生み出す計算になり、これは一瞬ではあるが数千世帯に電力を供給できる量に匹敵する。さらに、何も知らずに罠にかかったツムギアリは最大で重力の約140倍という加速度で引き上げられ、これはジェット戦闘機のパイロットが受ける最も過酷なGの約15倍に相当することが明らかになっている。

アリがかむと罠が作動、最大140Gで巣へ引き上げる新種のクモを発見

オーストラリアの熱帯雨林で、あらかじめ仕掛けたバネ式の罠を使ってツムギアリを猛烈な勢いで巣へ引き上げる新種のクモが発見された。最大140Gという人間の想像を絶する加速度で獲物を一気に絡め取るこの驚異的な捕獲システムについて、Yahoo!ニュースおよびナショナルジオグラフィック日本版が報じている。

バリスタ・スパイダーの発見と驚異の罠システム

2023年、生物医学研究者でありクモの分類学者でもあるグレッグ・アンダーソン氏は、オーストラリアのヨーク岬半島の熱帯雨林でクモの調査中、巣とは別に罠のようなものを仕掛ける小さなクモに遭遇した。大きさは最大でも1円玉ほどである。このクモは巣から下の葉へ糸を伸ばし、何本もの糸をぴんと張って葉の上に円錐形の罠を作り上げていた。ナショナルジオグラフィック日本版によると、古代の兵器である弩砲になぞらえて「バリスタ・スパイダー」と呼ばれるこのクモは、Propostira属に属する新種とみられており、まだ学名はないものの、精巧なバネ式の罠を用いるこうした捕獲システムの発見は初めてとなる。

アリがかむと罠が作動、最大140Gで巣へ引き上げる新種のクモを発見
写真:ナショナルジオグラフィック日本版

ツムギアリを狙う勇敢な狩りの瞬間

攻撃的な性格で知られるツムギアリは、強力な顎での噛みつきや傷口への酸の噴射を行うため、あえて狙う捕食者はほとんどいない。しかしバリスタ・スパイダーはこのアリを標的にしており、ツムギアリが葉の上で触角を使い罠を調べてから噛みついた瞬間、罠が葉から外れる仕掛けになっている。次の瞬間、アリはカタパルトで撃ち出されたかのように一気にクモの巣へと引き上げられ、もがけばもがくほど糸が絡まって逃げられなくなる。一瞬の出来事であったため当初は全貌がつかめず、数年後にマッコーリー大学の昆虫学者であるアジェイ・ナレンドラ氏らが現地を再訪し、ハイスピードカメラによる撮影で詳細な分析が行われた。

ハイスピードカメラが捉えた並外れたスピード

研究チームがクモの巣の周囲に複数のハイスピードカメラを設置して夜間の狩りを撮影したところ、コマ送りでなければ視認できないほどの劇的な瞬間が捉えられた。「文字通り、あるコマにいたアリが、次のコマでは消えていました」とナレンドラ氏はナショナルジオグラフィック日本版の取材に対して振り返っている。あの罠の動きが並外れて速く、それまでに見たことがないものだったと語る通り、映像の分析によってその物理的な凄まじさが裏付けられた。この成果は、2026年6月22日付けで学術誌「Current Biology」に発表されている。

ジェット戦闘機を凌駕する驚異的な加速度と出力

研究チームの映像分析によれば、この罠は同じ重さの糸を使用する他のクモの網と比較して、より大きな運動エネルギーを生み出し、瞬間的な出力も上回っている。計算上、この糸の罠の重さが1キログラムだった場合、作動時に最大で約12メガワットもの出力を生み出す計算になり、これは一瞬ではあるが数千世帯に電力を供給できる量に匹敵する。さらに、何も知らずに罠にかかったツムギアリは最大で重力の約140倍という加速度で引き上げられ、これはジェット戦闘機のパイロットが受ける最も過酷なGの約15倍に相当することが明らかになっている。

執筆者について: nipponese

Nipponese News編集部は、国内外のニュースを日本語で分かりやすくお届けします。