ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、先月解任したミハイロ・フェドロフ元国防相との間に生じた不一致について、初めて公に詳細を語った。ゼレンスキー氏は、フェドロフ氏が関与した大規模な抗議活動や選挙実施の要求といった行動を「誤った方向」であると指摘し、同氏の解任に至った経緯を説明した。
解任の背景と停滞する対話
フェドロフ氏は、ウクライナ軍の近代化や軍事技術、ドローン戦の導入を推進したことで高い人気を誇っていたが、軍の最高司令官との不和が報じられた末に解任された。この決定は数週間にわたる大規模な抗議活動を引き起こしたが、決定が覆ることはなかった。解任後、フェドロフ氏はビデオ演説を通じて選挙の実施を求めている。
ゼレンスキー氏はフェドロフ氏について「彼に対しては今も非常に肯定的な感情を持っているし、共に多くの困難を乗り越えてきた」と述べつつも、同氏が誤った道を進んでいる、あるいは周囲からそう仕向けられているとの懸念を示した。また、ゼレンスキー氏は政府内で活動を継続するための4つの選択肢を提示したが、フェドロフ氏はそのすべてを拒否したという。
Starlinkを巡る米大統領との不協和音
ゼレンスキー氏は、国防省から提供された不正確な情報が、アメリカのドナルド・トランプ大統領との間の気まずいやり取りを招いたと明かした。今年に入り、国防省はゼレンスキー氏に対し、SpaceX社がウクライナによるロシア領内でのStarlink利用を、政治的な承認を条件に容認したと報告していた。

これに基づき、ゼレンスキー氏はトランプ氏に対し、イーロン・マスク氏が利用を承認したと説明し、資金調達などを協議した。しかし、その後の会議でトランプ氏は、マスク氏が提案を拒否したことを明かし、ゼレンスキー氏が自身を欺いたと非難した。マスク氏は、ロシア領内での利用を危険なエスカレーションと見なしていたという。ゼレンスキー氏は「彼(トランプ氏)は、私が彼を騙したと言った。国防省に戻って確認すると、彼らは『そうだったかもしれない』と答えた」と語り、この一件がフェドロフ氏解任に向けた「いくつかのステップ」の一つであったことを認めた。
国防予算の逼迫と軍首脳への批判
ゼレンスキー氏は、ウクライナの国防努力が深刻な財政的圧力に直面している現状も強調した。今年前半の支出決定により、本来は今年後半に使用予定だった資金が前倒しで投入された結果、国防省は270億ドルの予算不足に直面している。

さらに、ゼレンスキー氏は抗議者たちによる軍首脳への攻撃に対しても苦言を呈した。特に、自身が解任したオレクサンドル・シルスキー元陸軍総司令官や、現職のイェヴヘン・クマール国防相に対し「悪魔」といった誹謗中傷が行われている現状を批判した。「軍に対してこのような扱いは容認できない。平和的な抗議活動を可能にしているのは、まさに軍の存在があるからだ」と述べた。
また、ゼレンスキー氏は、ウクライナの空の防衛に不可欠なパトリオット防空ミサイルの不足についても言及した。ロシアによる弾道ミサイル攻撃が激化する一方で、ここ3年間、西側同盟国からの供給は減少傾向にあると明かした。
https://apnews.com/article/russia-ukraine-war-zelenskyy-fedorov-15d84a5a1f52e376ffdf98082cdf9712 https://abcnews.com/International/wireStory/zelenskyy-details-rift-dismissed-defense-minister-actions-misguided-135879534