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2025-01-12 06:00:00
息子と父親と一緒にボードゲームを楽しむ男性。
マスコット/ゲッティイメージズ/マスコット
- 多くのX世代は子どもと両親の両方の世話をしており、それが退職後の蓄えに打撃を与えている。
- ネーションワイドの調査によると、X世代の投資家の56%は、両親か子どもを経済的に支援している立場にあるという。
- 親と子どもを支えるための経済的負担があるので、X世代の中には退職できるかどうかを疑問に思っている人もいる。
54歳のスティーブ・マレン(Steve Mullen)は3つの立場で板挟みになっている。
彼と妻はそれぞれの母親の介護をしており、数十年にわたって週に40時間もの介護と数万ドルの出費という負担を強いられている。一方で、住居費と年間2万5000ドル(約374万円)の学費が必要な大学生の息子を今も養っている。そしてその間にも彼は自身の広告会社を経営し、「常に」収入を増やすことに頭を悩ませているというのだ。
時にその負担は並大抵のものではないと、彼は話している。
「とてつもなくストレスが大きい」と彼はBusiness Insiderに語っており、比較的経済的には安定しているものの、常にお金の心配が頭の片隅にあると付け加えている。
「母がまた入院しないことを祈るばかりだ」
彼の状況は、X世代(1960年代半ばから1980年代初頭までに生まれた世代)の間ではますます一般的になりつつある。退職を迎えた親と、いまだに親の支援を必要とする子どもの間に挟まれたこの世代は、ますます親と子どもを同時に支える必要に迫られている。ファイナンシャルプランナーらによると、このジレンマによって、X世代は他の世代と比較して、退職後のための貯蓄が遅れているという。
そこには子どもと親の両方を支える二重の負担がますます一般的になっている兆候が見られる。2020年に全米退職者協会(American Association of Retired Persons)と全米介護連盟(National Alliance for Caregiving)が実施した調査によると、親の介護をするX世代の約50%が、18歳未満の子どもを抱えているという。またネーションワイド(Nationwide)が行った調査によると、56%の人たちは親または子どものいずれかを経済的に支援しているという。
介護の役割を担うX世代は経済的な困難を抱えている可能性が高い。ネーションワイドの調査によると、子どもまたは親の世話をする人の21%は、多額の借金を抱えており、20%は自身の老後のための貯蓄ができないと回答しているという。
ケアウェル(Carewell)が35歳から60歳を対象に実施した別の調査によると、親と子の両方の面倒を見ている人の75%は老後のための貯蓄に苦労していると答え、63%が給料ギリギリの生活をしていると答えている。
Business Insiderに話してくれたX世代の人たちは、主に介護に関する経済的負担によって、自分が退職できるのか、疑問だという。
また、プルデンシャル・フィナンシャル(Prudential Financial)の調査によると、X世代の40%は、退職後にパートタイムで働くことを想定しているという。
オハイオ州に住む50代のジュリー(Julie)は、15年間行ってきた母親の介護に10万ドル(約1500万円)以上を費やしたと話している。彼女は自分の退職後のために7万ドル(約1050万円)未満しか貯金できていない。この額は50歳になるまでに年収の約6倍を貯金するべきという金融アドバイザーの推奨額を大きく下回っている。
「経済的に疲弊してしまっている。正直なところ、自分が家族の経済的支柱になるとは思ってもみなかった」
板挟みの世代
いくつかの指標によると、X世代はベビーブーマー世代(1940年代から1960年代半ばに生まれた世代 )よりも退職後の準備が整っていないという。プルデンシャル・フィナンシャルが実施した調査によると、55歳の退職後の貯蓄額の中央値は4万8000ドル未満(約720万円)で、2023年時点で18%の人々はまったく貯金していないことが分かっている。
一方、55歳のうち3分の2は、自分の貯金が尽きることを恐れていると回答している。これは、プルデンシャルの2024年の調査において、すべての年齢層の中で最も高い割合であり、65歳では59%が自分の貯金が尽きることを心配していると答えている。
バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)のエコノミスト、ジョー・ワッドフォード(Joe Wadford)は、X世代が親と子どもを同時に世話をするという独特の負担を強いられていると考えている。その理由の一つは、前の世代に比べて多くの子どもが実家に住んでいるからだ。
2022年のアメリカ合衆国国勢調査(United States Census Bureau)のデータによると、18歳から24歳の男性の約57%、女性の55%が親と一緒に実家に住んでいた。1960年にはこの割合は男性が52%、女性が35%だった。
データライン・アドバイザリー(Datalign Advisory)のCEO、サタヤン・マハジャン(Satayan Mahajan)は、親と子どもを同時に世話することは、彼のX世代のクライアントが退職の準備に遅れを取る理由の一つだと述べている。
また、例えば2000年代初頭の出来事やリーマンショックなど、株式市場の暴落が起こったことも、彼らが貯金をあまりできていないもう一つの理由だという。
「子どもと親の世話に板挟みになっているX世代は、本当に多くの問題を抱えている。正直、あまりネガティブなことは言いたくないが、彼らは厳しい状況にあり、いくつかの問題がかなり深刻に影響していると思う」とマハジャンは話している。
「X世代の見通しは依然として不確かなものだ。ベビーブーマー世代は約80兆ドル(約1京1950兆円)の資産を引き継ぐと見込まれているが、その大部分はX世代ではなく、ミレニアル世代(1980年代前半から1990年代半ばまでに生まれた世代)に引き継がれるようだ」
「彼らはちょっと微妙な立場にいる」と彼は付け加えた。
「だから、少し困った状況にいるX世代が大勢存在するのだ」
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