PC Watchが報じたところによると、Reactベースの動画生成ツール「Remotion」とAIを組み合わせることで、ハロウィンの音楽ビデオなどを効率的に制作する手法が注目を集めている。コードによる正確な描画とAIによる選択式パーツを組み合わせ、コストを抑えた動画制作が可能になるという。
Remotionを用いたコードベースの動画制作とは
モーショングラフィックスとは、文字や図形、写真などを動かして見せる映像表現であり、ニュース番組のテロップやYouTubeの解説動画などで広く使われている。PC Watchによると、これをHTMLやCSSと同じ感覚でコードを使って実現するのがRemotionである。RemotionはReactで書いた画面を1コマずつ描画し、動画として書き出すツールであり、ブラウザ上のプレビュー画面で確認しながら作業を進められる。生成AI動画モデルのような意図しないブレがなく、文字や数字を正確に出したい動画の制作に向いている。
AIの負担を軽減するパーツ集の活用法
全ての動きを毎回AIに一品物として作らせると、コストがかかり処理にも時間がかかる。そのため、あらかじめ文字の配置や動き、背景、アイコンなどの「部品」をパーツ集として用意しておく手法が取られている。PC Watchの報道では、AIにはお題に合わせてどの部品をどう組み合わせるかを選ばせるだけでよく、これにより描画結果が安定し、コストも抑制できるとしている。配置や動き、背景などを組み合わせると30万通り以上のパターンが可能になるという。
Claude CodeとDeepSeek V4 FlashによるMV制作の違い
実際にハロウィンの音楽ビデオを作る試みでは、音源に「ACE-Step 1.5」が使用された。歌詞や楽曲のテンポを設定した上で、パーツ集とお題をAIに渡すことで台本や画像が自動生成される。PC Watchの検証では、Claude Code(Sonnet 5.5)とDeepSeek V4 Flashという異なるモデルに同じお題を与えて比較が行われた。その結果、Sonnet 5.5が制作した動画は硬い印象を与える一方、DeepSeek V4 Flashによる動画はやや弾けた仕上がりになるなど、モデルごとの個性の違いが表れたという。
商用利用におけるライセンスと今後の課題
Remotionの利用にあたっては、ライセンス形態に留意する必要がある。PC Watchによると、個人や従業員3人以下の営利団体、非営利団体であれば商用でも無料で利用できるが、4人以上の企業が業務で使う場合は有償ライセンスが必要となる。また、歌詞のタイミング調整や人物の顔に文字がかからないようにするための確認作業など、現時点では人間の目によるチェックが不可欠であるといった課題も残されている。