米連邦捜査局(FBI)が南カリフォルニアで移民税関捜査局(ICE)への抗議活動を対象に予備調査を開始していたことが、元情報担当者の内部告発で明らかになった。CNNが報じたもので、捜査はトランプ政権による移民取り締まりが始まった2025年初めの数週間に要請され、法律や方針に違反しているとの懸念が示されている。
トランプ政権発足初期に始まったFBIの予備調査
米連邦捜査局(FBI)が南カリフォルニアで実施した予備調査は、トランプ政権による移民取り締まりが本格化した2025年初めの数週間に開始された。FBIロサンゼルス支局で情報分析官の管理職を務めていたジル・フィールズ氏の申し立てによると、この調査はトランプ大統領や政権当局者らの要求を受けて進められたという。CNNは、フィールズ氏の代理人弁護士が上院司法委員会の委員らに提出した申立書の内容を確認している。司法省の報道官は同局の取材に対し、司法省はすべての米国人の憲法修正第1条の権利を守る姿勢を示しつつ、「連邦法違反の可能性があれば調査する責任がある」と説明した。
ティックトックの動画が引き金となった個別事案
少なくとも1件の事例では、トランプ大統領がティックトックの動画で目にした人々の調査を要求したことが発端となった。問題の動画には、カリフォルニア州アルハンブラでICEや米税関・国境警備局(CBP)に抗議する人々が映し出されていた。フィールズ氏の告発によれば、抗議参加者は拡声器を使って近隣住民に移民法執行官の存在を知らせていたという。2025年2月の抗議活動の後、フィールズ氏の部下だった分析官は、動画に映っていた2から4人について移民逮捕妨害の疑いで事前評価調査を行うよう命じられたと報告した。FBIの方針では、憲法修正第1条で保護された活動だけを根拠に調査を開始することは禁じられており、チームはこの段階で犯罪の証拠をまだ得ていなかった。
パテル長官からの伝達と副長官代行による要求
この調査に先立ち、FBIのパテル長官は同局幹部らに対し、トランプ大統領が「この出来事に怒っており、抗議参加者らが調査され、逮捕されることを望んでいる」と伝えていた。フィールズ氏の証言によると、その数週間前にも言論の自由をめぐる同様の問題が浮上していた。当時、司法副長官代行を務めていたエミル・ボーブ氏が、カリフォルニア州の連邦政府庁舎前でICEに抗議していた集団を調査するようFBIに要求したという。フィールズ氏は、いずれのケースでも言論以外の行為がない限り、憲法修正第1条の保護がこうした調査や訴追を禁止していると指摘している。