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AI PCは「AIにしか使えないPC」ではない。プロセッサ「Lunar Lake」の魅力をインテル担当者が語る | Business Insider Japan

2024年9月3日・4日に東京ミッドタウンホールで開催された、「技術とビジネスをつなぎ社会を前進させる」をテーマとするイベント「インテル接続」。イベントでは多数の基調講演および分科会セッションが行われ、インテルが提唱する「Bringing AI Everywhere」推進の取り組み、そしてそのためにインテルが提供するテクノロジーや最新製品などが紹介された。 本稿ではDAY2の分科会セッションから、「AI PC トレーニング ~インテル® Core™ Ultra プロセッサーの真価とは~」の模様をレポートする。同セッションにはインテル 技術本部 部長 工学博士の安生健一郎氏が登壇。聞き手はTech Insider 編集チーフ・小林優多郎が務めた。 AI PCは「AIにしか使えないPC」ではない 昨年12月にインテルが発表した「AIパソコン」というキーワードは、この半年で着実に広がりを見せた。一方で、安生氏によると「“AIにしか使えない”という誤解も生まれた」という。これは、AI PCの「AI」の部分だけが過剰にフィーチャーされたことが原因だ。 もちろん、AI PCは“AIにしか使えないPC”ではない。インテルが掲げる「A Great AI PC Start with Great PC」というキャッチフレーズが示すように、AI PCとは大前提として「従来どおりに使えるPC」であり、PCとして大きな進化を遂げている。そして、その上に「AI」という価値が乗っているのである。 安生健一朗(あんじょう・けんいちろう)氏/インテル 技術本部 部長 工学博士。PCメーカーへの技術支援、製品戦略の協業推進に加え、製品の発表後の市場拡大を視野に、 ゲーミング、クリエイティブ、AIなどのコミュニティー活動に注力。 新しい PC の使い方の啓蒙および業界全体の成長につながる構想にも意欲的に取り組む。 「(今回発表した)インテル®…

AI PCは「AIにしか使えないPC」ではない。プロセッサ「Lunar Lake」の魅力をインテル担当者が語る | Business Insider Japan

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2024-09-26 08:00:00

2024年9月3日・4日に東京ミッドタウンホールで開催された、「技術とビジネスをつなぎ社会を前進させる」をテーマとするイベント「インテル接続」。イベントでは多数の基調講演および分科会セッションが行われ、インテルが提唱する「Bringing AI Everywhere」推進の取り組み、そしてそのためにインテルが提供するテクノロジーや最新製品などが紹介された。

本稿ではDAY2の分科会セッションから、「AI PC トレーニング ~インテル® Core™ Ultra プロセッサーの真価とは~」の模様をレポートする。同セッションにはインテル 技術本部 部長 工学博士の安生健一郎氏が登壇。聞き手はTech Insider 編集チーフ・小林優多郎が務めた。

AI PCは「AIにしか使えないPC」ではない

昨年12月にインテルが発表した「AIパソコン」というキーワードは、この半年で着実に広がりを見せた。一方で、安生氏によると「“AIにしか使えない”という誤解も生まれた」という。これは、AI PCの「AI」の部分だけが過剰にフィーチャーされたことが原因だ。

もちろん、AI PCは“AIにしか使えないPC”ではない。インテルが掲げる「A Great AI PC Start with Great PC」というキャッチフレーズが示すように、AI PCとは大前提として「従来どおりに使えるPC」であり、PCとして大きな進化を遂げている。そして、その上に「AI」という価値が乗っているのである。

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安生健一朗(あんじょう・けんいちろう)氏/インテル 技術本部 部長 工学博士。PCメーカーへの技術支援、製品戦略の協業推進に加え、製品の発表後の市場拡大を視野に、 ゲーミング、クリエイティブ、AIなどのコミュニティー活動に注力。 新しい PC の使い方の啓蒙および業界全体の成長につながる構想にも意欲的に取り組む。

「(今回発表した)インテル® Core™ Ultra プロセッサー シリーズ2(コードネーム:Lunar Lake)は、前世代となるシリーズ1(コードネーム:Meteor Lake)よりも電力効率がとても上がっています。“インテル製品は電力消費が高い”というユーザーさんのイメージを覆そうと、ある意味エンジニアアーキテクトの意地でここまで持ってきました」(安生氏)

AI PCはAI PCである前にPCであるという点については、小林もユーザー視点で同意を示す。

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小林優多郎(こばやし・ゆうたろう)/Tech Insider 編集チーフ。2012年4月より、当時大学生ながら週刊アスキー編集部に所属。ウェブ・雑誌・電子書籍などさまざまな媒体で、スマートフォンやネットワーク、PC、フィンテックなど幅広い分野を取材。2018年1月からBusiness Insider Japanの編集者・記者。2022年よりBusiness Insider Japan動画プロデューサーを兼務。2024年1月より現職。

「時代はAIだというけれど、実際の業務はだんだんと変わっていくもの。いきなり違う業務に完全に切り替わるわけではありません。その意味でも、今までやってきたことはちゃんとできて、そこからもっとよくしていこうという姿勢で作られたPCは重要です」(小林)

小林が指摘した“連続性”を大事にしているのが、まさにインテルである。インテルは過去のレガシーを大事にしており、過去のアプリケーションがきちんと動くPCであることにこだわっているのだ。

「インテルだけでなくソフトウェアパートナーさんとの関係性のおかげです。もう開発者がいなくなってこれ以上修正できないソフトウェアもありますが、それでもちゃんと動きます。億単位のユーザーさんを裏切らないようアーキテクチャの互換性を保つことはインテルのポリシーでもあります」(安生氏)

AIをクラウドではなくエッジとなるPCで動かす意味とは

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一方で、AIパソコンのようにユーザーに物理的に近い場所「エッジ」にある端末が進化することにはどんな意味があるのか。端末ではなくクラウドでAIを動かしてしまえば、そこまでのスペックは必要ないようにも思える。

この点について安生氏は「開発者の方々と話すと、皆さんクラウドが当たり前になっています。AIは成り立ちからしてクラウドですから」と述べた上で、「しかし」と続ける。

「クラウドにパフォーマンスを要求するせいで、世界のあちこちにクラウドデータセンターが設立されています。これは本当に環境の観点でサステナブルな状態なのか、という疑問があります。また、データセンターのコストは当然回収する必要があるわけです。コストの観点でユーザーに負担がかかってしまいます」(安生氏)

さらに法人の場合はセキュリティ面でも課題を抱えているという。例えばAIを導入する際、クラウドで設計してしまうと、社外に出せない機密データを活用できなくなってしまう。となると、企業内ネットワークやオンプレミスのサーバ、またはPCでAIを動かす必要が出てくるだろう。そうなったとき、AIを動かせるだけのPC——すなわちAI PCが必要とされるわけだ。

「企業はAIを導入することでどう業務を効率化できるのか、投資対効果はどれくらいなのかを検討します。その際のコストやデータセキュリティを踏まえると、クラウド以外の選択肢もオプションとして選択できた方がAIによるDXを実現しやすいといえます」(安生氏)

インテルのAI PCはどれだけの進化を遂げたのか

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インテル® Core™ Ultra プロセッサー シリーズ2(コードネーム:Lunar Lake)のSoC(システムオンチップ)。この中にCPU、NPU、GPU、メモリのすべてを備える。

冒頭で安生氏が触れたように、インテルが発表したインテル® Core™ Ultra プロセッサー シリーズ2(Lunar Lake)は前世代のMeteor Lakeを大きく上回る性能を備えている。それにもかかわらず消費電力が下がっているのは驚くべきことだ。この点について安生氏は「今までのMeteor Lakeの延長線上では実現できなかった」と語る。

そこでインテルがとった選択が、マイクロソフトとの連携だ。CPUにだけ注力するのではなく、PCというプラットフォーム全体に踏み込むことで消費電力の大幅な低減につなげたのだ。具体的には、オフィスソフトで50%カット、Zoomでは45%カット、Teamsでは41%カットと、Meteor Lakeからさらに消費電力を減らしている。

これだけの成果を上げた要因はいくつかある。例えばメモリオンパッケージの採用だ。メモリは高速化すればするほど消費電力が上がっていく。その際にマザーボードに配線を通すのと基板上に配線をとどめるのとでは消費電力が圧倒的に違ってくるのだ。

さらに、EコアとPコアの使い分けもポイントだという。

「Eコアは消費電力を抑えたいときに使い、Pコアはパフォーマンスを出したいときに使う、というのは従来通りです。例えば生産性業務ではパフォーマンスが重要なのでPコアが適しています。しかしながら、Teamsのようなツールの場合は低電力で長時間動いてほしいのでPコアは使わず、Eコアだけで動かす、ということをマイクロソフトとの協業で実現しています」(安生氏)

インテルはまた、PCメーカーとの協業において2020年から「インテル® Evo™ プラットフォーム」を提供している。Evoとは、よりよいユーザー体験を実現したPCに対してインテルが与える、いわば「お墨付き」のようなもの。ユーザーはインテル® Evo™ プラットフォームに準拠したPCを選びさえすれば快適なユーザー体験が保証されるというわけだ。

Evoの基準は表面的なものではなく、実際のユーザー体験を想定して策定されている。

「性能を出すだけならファンを思い切り回せばいい。だけど、それではうるさいですよね。いかに静かに、筐体も熱くならず、性能を出せるか。この3つの軸で評価しています。

また、バッテリーライフについても実際にWi-Fiでネットに接続して、ブラウザでソーシャルネットワークにアクセスするなど、ユーザーと同じように使用しながら測定しています。

当初は基準が9時間でしたが、現在は11時間まで伸ばしています。PCメーカーさんと我々の努力によって、毎年チャレンジを繰り返し、ユーザーの期待に応えられるスペックを実現しているのです」(安生氏)

AI PCでAI体験がさらに向上する

ここまではPCとしての進化について話題が展開されてきたが、ではAIの活用についてはどうだろうか。

安生氏は安定した拡散エリザ*を用いて、Lunar LakeとMeteor Lakeの差を提示。Meteor Lakeも十分なパフォーマンスを見せたものの、Lunar Lakeはさらにそれを上回る速度を発揮していた。

* ELYZA社が公開する80億パラメーターで学習したLlaMa-3ベースの日本語対応LLM

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会場ではELYZAがローカルで動作するデモが展示されていた。

生成AI活用ではGPUが重要だと思われがちだが、電力消費を気にするならNPUを使った方が良い。そこでインテルでは「用途や場面に応じてプロセッサを使い分ける」ことを可能にしている。どちらかしか使えないのではなく、両方を選択肢として提案することで、開発者やユーザーのニーズに応えているのだ。

こうしたインテルの方針について、小林は「AIといえばデスクトップのGPUという話になりがちだが、ノートPCのように電力が限られた環境で仕事をすることも多い。その意味でAI PCは時代にマッチしている」と称賛。これに安生氏も「今はノートPCユーザーが圧倒的に多い時代。そうしたユーザーに便利な機能を届けることで、モメンタムの作り方が変わってくる」と応えていた。

Lunar Lakeによって消費電力が下がったことは、PCメーカーにとってもメリットが大きい。なぜなら、メーカーが作るPCのバリエーションが増えるからだ。大容量バッテリーを搭載して長時間駆動するPCを作るもよし、逆に超薄型軽量のPCにして携帯性を高めるもよし。以前なら消費電力の制約で難しかった製品が今後登場してくることは確実だろう。

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国内外数多くのPCメーカーがインテル® Core™ Ultra プロセッサー シリーズ2を搭載した製品の発売を表明している。

また、AIパソコンによってクラウドだけでなく端末で処理を行うAIも増えてくるだろう。インテルがソフトウェア開発のツールキット「OpenVINO」を無償で提供しているからだ。

チュートリアルもモデルもサンプルコードもそろっており、AIアプリの開発を強力に支援する。初めてOpenVINOを使うユーザーでも、たった2週間でAIアプリケーションを開発した例もあるという。

なお、AI PCに対応したアプリケーションは、順次こちらのウェブサイトに更新されるので、注目してほしい。

Lunar Lakeを搭載したPCは、日本では9月25日から順次登場する予定だ。

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会場内では、8つのメーカーが発売予定のAI PCが展示されていた。

そもそもPCとして大きな進化を遂げており、その上でAIの価値を生み出していくAIパソコン。新たなプロセッサ「Lunar Lake」により、パフォーマンスを上げながら消費電力の低減を実現した。いよいよ到来したAI時代において、間違いなく主役となるだろう。


インテルが提案するAI PCの詳細についてはこちら

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執筆者について: nipponese

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