27日、連日の大雨により洪水が発生したタイの首都バンコクでは数千人が避難所で朝を迎えました。バンコク当局によると、約5万2000世帯が被害を受け、約4900人が避難し、都全域に災害事態宣言が発令されています。
バンコク全域で災害事態宣言、5万2000世帯が洪水被害
タイの首都バンコクは9月に雨期のピークを迎えていますが、多くの住民は例年以上の被害が出ていると訴えています。タイの気象当局によれば、24日から27日にかけての一部地域の降雨量は330ミリを超えました。市当局は27日朝の時点で、運河網の水位が依然として高い状態にあると発表しており、懸命な排水作業が続けられています。
運河の水位上昇で深刻な浸水被害、住民の証言
首都郊外の運河沿いに住む会社員のコシン・ニルセットさん(44)は、27日朝にAFPの取材に応じました。自宅は約30時間にわたって浸水被害を受け、2011年の洪水よりも深刻であると説明しています。コシンさんと家族は、水位が運河の護岸壁を超えたのを確認して荷物を高所に移動させましたが、1階部分は浸水しました。「少なくとも水道と電気は使える」と話し、ほうきで懸命に水を外へ掃き出す姿が見られました。
市民生活への影響と当局による外出自粛要請
市内東部では、使い捨てのレインポンチョを身につけた人々が濁流の中を歩く姿が確認されています。食料品店の駐車場では膝の高さまで冠水した場所もあり、住民らはプラスチック製のたらいに荷物を浮かべて運ぶなど対応に追われました。バンコクのチャッチャート・シッティパン知事は、自身のFacebookのライブ配信を通じて、複数の道路が依然として冠水している状況を説明し、市民に対して不要不急の外出を控えるよう強く呼びかけています。
地球温暖化と極端な気象現象に関する科学者の警告
化石燃料の排出によって地球の温暖化が進む中、科学者らは極端な気象現象の発生頻度と大型化が今後さらに増すだろうと警告を発しています。タイでは2011年にも広範囲で大規模な洪水が発生し、500人以上が死亡し数百万戸の住宅が被害を受ける甚大な災害となりました。今回の災害も、こうした気候変動の影響下で起きたものとして大きな懸念を集めています。
水引き始めた地域での復旧作業と今後の天候見通し
水が引き始めた一部の地域では、住宅や家財を太陽の光で乾燥させる住民の姿が見受けられます。バンコクおよび周辺各県では27日を通じてさらなる降雨が予想されているものの、翌28日には雨勢が弱まり始める見通しだと気象当局は発表しています。当局や住民による排水や復旧の作業は、天候の回復を見据えながら急ピッチで進められています。
