ドナルド・米大統領は26日、ホワイトハウスで記者団に対し、イラン側から提示されたホルムズ海峡の商業航行に関する提案を拒否したと発表した。イラン側が非常にまずい状況にあるため7日以内の合意を求めていると主張し、米国はすでに海峡を完全に支配していると強調した。
トランプ米大統領がイランの提案を拒否した背景
トランプ氏は26日の記者会見で、向こうが出してきた合意を拒否すると明言した。膨大な量の石油が同海峡を通過することで世界の原油価格が大幅に上昇し、消費者の燃料費が急激に増えていると指摘した。これに対し、イランのアラグチ氏は通信アプリ「テレグラム」への投稿で自分の提案が拒否されたと認めている。ただし、米国からの明確な公式回答を待つとし、トランプ氏には矛盾する発言をしてきた過去があると主張した。
ホルムズ海峡を巡る米イランの協議と現状
平時には世界のガスと石油供給量の約2割が通過する重要水路であるホルムズ海峡は、現在の戦争が2月に勃発して以来、事実上封鎖されている。イラン側は米ニューヨークでの国連総会の傍らで先週行われた米国との協議で、海峡の再開と敵対行為の終結が議題になったと説明している。国連総会に出席したイランのマスード・ペゼシュキアン大統領は、米CBSのインタビューで、協議が成功するにはこの戦争が作り出した不信感の克服が必要だと述べた。
ペゼシュキアン大統領が語る不信感と最高指導者の健康状態
ペゼシュキアン大統領は行き詰まりを打開するため、イラン側が覚書の段階的な履行に向けた協議に前向きだと説明している。米国はイラン政府を転覆させる意図がないと示す必要があると主張した。また、トランプ氏が米軍による爆撃再開で覚書を破棄したと非難し、文書に書いた内容を守らないなら本当に対話で解決できるのかと問うた。2月末の米軍による空爆で脚や顔を負傷したとされるイランの最高指導者モジタバ・ハメネイ師については、これまで2回会ったと説明し、特別な健康上の問題や困難はないと述べた。
北大西洋条約機構駐在の米大使が支持する理由
トランプ氏がイランの提案を拒否したことについて、北大西洋条約機構(NATO)駐在のマシュー・ウィテカー米大使は26日、大統領の判断を支持すると米FOXニュースのインタビューで述べた。イランが中途半端な措置と国際社会で自らを良く見せるための見せかけの取引を提示してきたのだと指摘し、トランプ大統領にはそれを拒否する権利があると強調している。
経済的追放作戦と中国の動向
スコット・ベッセント米財務長官は26日、米国による経済制裁がイランに打撃を与えているとソーシャルメディア「X」に投稿した。トルコ、オマーン、アラブ首長国連邦(UAE)がイランのさまざまな航空会社のフライトを停止させ、UAEとトルコの一部の銀行がイランとの取引をストップさせたとしている。トランプ政権は経済封鎖を経済的追放作戦と呼び、船舶攻撃をやめさせることを狙っている。しかし、イラン産原油の最も多くの買い付けている中国は、これまでのところ米国の制裁措置を無視し、取引を続けている。
今後の見通し
仲介役を務めてきたオマーンのバドル・ビン・ハマド・ビン・ハムード・アルブサイディ外相は、国連総会の一般討論演説で、すべての関係者が航行の安全確保に向けてオマーンに協力すべきだと訴えた。アラグチ氏が言及した調停者からの最終的な見解がいつ示されるのか、そして中国の対応や米国の経済的追放作戦が海峡の封鎖状況にどのような影響を与えるのかが今後の焦点となる。