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マドリードで約70年暮らしたマリカルメンさんが投資会社により強制退去

スペイン・マドリードで約70年間暮らしてきたマリカルメンさんが、法の抜け穴を利用した家賃急騰の末に強制退去させられた。英BBCなどの報道によると、年金暮らしの居住者にとって支払い不可能な金額への引き上げが背景にあり、深刻な住宅危機に対する抗議活動が主要都市に広がっている。 マドリード中心部で起きた約70年ぶりの強制退去と賃料の急騰 マドリード中心部のレティーロ地区にあるアパートで、約70年間暮らしてきたマリカルメンさんが強制退去させられた。英BBCが報じた。この家は1956年にマリカルメンさんの父親が借主となり、父親の死後は賃借権を引き継いで住み続けていた物件である。当時は家賃の上げ幅に上限が設けられていたが、2018年に投資会社のUrbagestiónがアパートを購入したことで状況が一変した。同社は法の抜け穴を利用し、月500ユーロだった家賃を2650ユーロへ引き上げた。その後1650ユーロに引き下げられたものの、年金暮らしをするマリカルメンさんには到底支払えない額だったという。 3度の裁判阻止から一転、投資会社が立ち退き延期を拒否 マリカルメンさんにはこれまで3度にわたって強制退去が命じられてきたが、いずれも裁判によって阻止されてきた。ロイター通信の報道によると、匿名の人物から本人に代わって家賃を支払うという申し出もあったという。しかし、投資会社のUrbagestiónは立ち退きの延期を拒否した。退去当日となる23日、抗議者たちが「人殺し」と叫ぶなか、マリカルメンさんはストレッチャーで建物の外へ運び出された。前夜の22日夜から、アパート周辺には強制退去を阻止しようとする抗議者たちが集まっていた。 スペイン全土で深刻化する住宅危機と建築許可の実態 同様の抗議集会はバルセロナやバレンシアなどの主要都市を含む10カ所以上の地域で行われたと、ユーロニュースが伝えている。スペインでは住宅価格や家賃の高騰により、多くの人が住む場所を確保できなくなる住宅危機が指摘され続けてきた。経済協力開発機構のデータによると、2022年から2024年の間に発行された建築許可は34万5000件にとどまった。この数字は同時期の純世帯増加数である60万4000件を大幅に下回っており、移住者の増加や都市部・観光地での世帯数増加が背景にあるとされている。 無許可物件の削除や観光向け賃貸への課税強化へ 観光目的で利用される物件の増加に対応するため、政府は対策を打ち出している。2025年には無許可のAirbnb掲載物件の削除を命じたほか、短期の観光向け賃貸への付加価値税導入などの措置が講じられた。住宅市場の逼迫が市民の生活を圧迫する中、物件の適正利用を求める声は高まりを見せている。一般住宅がバケーション利用に回される現状に対し、規制を求める動きは各地で強まっている。 「心が痛む」と寄せられた声と路上での抗議の継続 マリカルメンさんの強制退去をとらえた映像には、社会的な反発を示す多くの声が寄せられた。「心が痛みます」という悲痛な声のほか、「状況が改善されるまで、我々は路上で戦い続ける。労働者階級の底力だ」との主張も上がっている。また、暴動が起きたわけでもないのに警棒を振るう警察の行動に対して疑問を感じるという意見もあった。観光客に対しては、ホテルやゲストハウスへの宿泊を呼びかけ、賃貸物件や一般住宅をバケーションに使うのをやめるよう求める声も出ている。 労働者階級の居住権を守るための今後の行方 投資会社による法的な抜け穴を用いた賃料引き上げと強制退去は、スペイン社会に大きな波紋を広げている。主要都市に広がる抗議活動や、観光向け短期賃貸への規制強化の動きが、深刻な住宅不足と高騰する家賃にどのような影響を与えるのか。市民による路上での戦いや労働者階級の権利擁護に向けた動きは、今後も社会的な議論の焦点となり続ける見通しである。

マドリードで約70年暮らしたマリカルメンさんが投資会社により強制退去

スペイン・マドリードで約70年間暮らしてきたマリカルメンさんが、法の抜け穴を利用した家賃急騰の末に強制退去させられた。英BBCなどの報道によると、年金暮らしの居住者にとって支払い不可能な金額への引き上げが背景にあり、深刻な住宅危機に対する抗議活動が主要都市に広がっている。

マドリード中心部で起きた約70年ぶりの強制退去と賃料の急騰

マドリード中心部のレティーロ地区にあるアパートで、約70年間暮らしてきたマリカルメンさんが強制退去させられた。英BBCが報じた。この家は1956年にマリカルメンさんの父親が借主となり、父親の死後は賃借権を引き継いで住み続けていた物件である。当時は家賃の上げ幅に上限が設けられていたが、2018年に投資会社のUrbagestiónがアパートを購入したことで状況が一変した。同社は法の抜け穴を利用し、月500ユーロだった家賃を2650ユーロへ引き上げた。その後1650ユーロに引き下げられたものの、年金暮らしをするマリカルメンさんには到底支払えない額だったという。

3度の裁判阻止から一転、投資会社が立ち退き延期を拒否

マリカルメンさんにはこれまで3度にわたって強制退去が命じられてきたが、いずれも裁判によって阻止されてきた。ロイター通信の報道によると、匿名の人物から本人に代わって家賃を支払うという申し出もあったという。しかし、投資会社のUrbagestiónは立ち退きの延期を拒否した。退去当日となる23日、抗議者たちが「人殺し」と叫ぶなか、マリカルメンさんはストレッチャーで建物の外へ運び出された。前夜の22日夜から、アパート周辺には強制退去を阻止しようとする抗議者たちが集まっていた。

スペイン全土で深刻化する住宅危機と建築許可の実態

同様の抗議集会はバルセロナやバレンシアなどの主要都市を含む10カ所以上の地域で行われたと、ユーロニュースが伝えている。スペインでは住宅価格や家賃の高騰により、多くの人が住む場所を確保できなくなる住宅危機が指摘され続けてきた。経済協力開発機構のデータによると、2022年から2024年の間に発行された建築許可は34万5000件にとどまった。この数字は同時期の純世帯増加数である60万4000件を大幅に下回っており、移住者の増加や都市部・観光地での世帯数増加が背景にあるとされている。

無許可物件の削除や観光向け賃貸への課税強化へ

観光目的で利用される物件の増加に対応するため、政府は対策を打ち出している。2025年には無許可のAirbnb掲載物件の削除を命じたほか、短期の観光向け賃貸への付加価値税導入などの措置が講じられた。住宅市場の逼迫が市民の生活を圧迫する中、物件の適正利用を求める声は高まりを見せている。一般住宅がバケーション利用に回される現状に対し、規制を求める動きは各地で強まっている。

「心が痛む」と寄せられた声と路上での抗議の継続

マリカルメンさんの強制退去をとらえた映像には、社会的な反発を示す多くの声が寄せられた。「心が痛みます」という悲痛な声のほか、「状況が改善されるまで、我々は路上で戦い続ける。労働者階級の底力だ」との主張も上がっている。また、暴動が起きたわけでもないのに警棒を振るう警察の行動に対して疑問を感じるという意見もあった。観光客に対しては、ホテルやゲストハウスへの宿泊を呼びかけ、賃貸物件や一般住宅をバケーションに使うのをやめるよう求める声も出ている。

労働者階級の居住権を守るための今後の行方

投資会社による法的な抜け穴を用いた賃料引き上げと強制退去は、スペイン社会に大きな波紋を広げている。主要都市に広がる抗議活動や、観光向け短期賃貸への規制強化の動きが、深刻な住宅不足と高騰する家賃にどのような影響を与えるのか。市民による路上での戦いや労働者階級の権利擁護に向けた動きは、今後も社会的な議論の焦点となり続ける見通しである。

執筆者について: nipponese

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