インドのナレンドラ・モディ首相と中国の習近平国家主席は、2026年9月12日にニューデリーで開催された第18回BRICS首脳会議の合間に行われた二国間会談において、係争中の国境問題の解決に向けて協力することで合意した。インド政府の発表によると、両首脳は国境問題に対し公正で合理的、かつ相互に受け入れ可能な解決策を導き出すことにコミットした。
国境の平和を関係改善の不可欠な基盤に
モディ首相は、隣国中国との二国間関係を発展させるためには、国境地域における平和と静穏が不可欠であると述べた。首相は、国境問題に関する既存の合意および理解を双方が遵守する必要性を強調した。今回の合意は、両国が国境問題を政治関係全体および両国民の長期的利益を考慮して解決することを目指すものである。

両国は、関係を戦略的かつ長期的な視点で捉え、相違点を紛争に発展させないことで一致した。インドと中国の国境問題は数十年にわたり続いており、1962年には戦争に至った経緯がある。また、2020年には国境での激しい衝突が発生し、関係が急激に悪化した。しかし、先月には第25回会談が行われ、長年の国境紛争を解決するための8つの成果と合意事項に到達していた。
経済的不均衡とサプライチェーンへの対応
安全保障問題に加え、経済・貿易関係も主要な議題となった。両首脳は、構造的な貿易不均衡やサプライチェーンの問題、および意味のある予測可能な市場アクセスの促進など、互いの懸念に対処する必要性を強調した。

経済面では、インドは中国に対して大幅な貿易赤字を抱えており、世界第2位の経済大国である中国からの輸出に依存している。2026年3月までの1年間で、両国の総貿易額は過去最高の1,511億ドルに達したが、インドの対中貿易赤字も過去最高の1,121億6,000万ドルに拡大した(前年度の992億1,000万ドルから増加)。
外交関係の段階的な回復と現状
今回の習主席の訪印は7年ぶりとなり、昨年行われた天津での会談以降、関係は緩やかな改善傾向にある。直行便の再開や一部の旧シルクロード貿易ルートの開放に加え、インドは今年3月に中国からの投資に関する規制を緩和した。

習主席は、中国は常に中印関係を戦略的かつ長期的な視点から見て発展させてきたと述べ、制度的な交流が徐々に回復し、協力分野が拡大していると指摘した。一方で、チベット地域の領土紛争は未解決のままであり、約3,500kmに及ぶ高地国境沿いには依然として双方の軍隊が大量に展開している。習主席の訪問に合わせ、ニューデリーではダライ・ラマを含む亡命チベット人らが抗議活動を行った。
BRICS枠組みでの連携
モディ首相は、来年から始まる中国のBRICS議長国就任に向けて祝意を伝えた。また、中国側はインドのBRICS議長国としての取り組みと、ニューデリーでの2026年首脳会議の成功への貢献を支持した。
今回の首脳会談は、カザン(ロシア)や天津(中国)での会談に続き、3年連続で両首脳が直接顔を合わせたことになる。11カ国で構成されるBRICSは、今回の首脳会議で共同宣言を出し、中東での沈静化を求めるとともに、世界貿易の円滑な流れを維持するために協力する必要性を強調した。
中印関係の現状まとめ
| 項目 | 詳細・現状 |
|---|---|
| 貿易総額(2026年3月まで) | 1,511億ドル(過去最高) |
| インドの対中貿易赤字 | 1,121億6,000万ドル(過去最高) |
| 国境線の長さ | 約3,500km |
| 直近の外交進展 | 直行便再開、投資規制の緩和、第25回国境会談の実施 |
今回の会談について、メルボルン大学の中国・インド専門家プラディープ・タネジャ氏は、AFP通信に対し、両国が国境問題において「早期かつ実質的な成果」を求めていると分析している。