インドのニューデリーにあるバーラト・マンダパムで9月12日から13日にかけて開催される第18回BRICS首脳会議において、加盟国間の分断により共同宣言の合意に至るのが困難な状況となっています。2026年1月より議長国を務めるインドは、11の加盟国が合意できる表現を模索していますが、米国主導の対イラン紛争が加盟国間の深刻な亀裂を露呈させています。
対イラン紛争による内部対立
2026年2月28日に始まった米国主導のイランに対する軍事衝突により、BRICS内部は外交的な困難に直面しています。2024年に加盟したイランと、同じく同年に加盟したアラブ首長国連邦(UAE)が対立する構図となっており、平和と協力に関する共同宣言への署名を求める状況は極めて困難であるとされています。
この分断は以前から顕在化しており、2026年5月に開催された外相会合では、紛争に対する見解の相違や公表内容を巡る不一致から、合意声明を出すことができませんでした。今回の首脳会議は、世界的な注目を集め経済にも打撃を与えているこの戦争について、合意形成を目指す3度目の試みとなります。
経済的影響と首脳の出席
紛争に伴うホルムズ海峡での輸送混乱により、北海ブレント原油価格が1バレル97ドルを超え、100ドルに迫る状況が続いています。これにより、ロシアやサウジアラビア、UAEなどの産油国が収益を上げる一方で、インドや中国などの輸入国にとってはインフレや貿易赤字を招く経済的負担となっています。
今回の首脳会議には、インドのナレンドラ・モディ首相がホストを務め、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領やイランのマスード・ペゼシュキアン大統領が出席します。また、中国の習近平国家主席の出席が見込まれており、実現すれば7年ぶりの訪印となります。
BRICSの役割と今後の課題
BRICSは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカに加え、2024年にはイラン、UAE、サウジアラビア、エジプト、エチオピア、インドネシアが加わり、欧米主導の秩序に対抗することを目的としています。しかし、分析によれば、外交政策や安全保障における集団的行動は分断によって制限されており、西側への一貫した代替案の構築に苦慮していると指摘されています。

今回の首脳会議が再び合意声明なしに終了した場合、政治ブロックとしてのBRICSが構造的な限界に達したことを示唆することになります。一方で、エネルギー協力や代替決済システムなどの経済政策で合意に至れば、貿易の流れや通貨ダイナミクスに影響を与える可能性があります。