米国の株式市場で、主要株価指数が反発した。4営業日連続で下落していた状況から、原油価格の後退が安心感を与え、投資家が損失の回復に動いた形だ。ダウ工業株30種平均は500ポイント(約1%)上昇し、S&P 500は0.9%から1.1%、ナスダック総合指数は1%から1.3%の範囲で上昇した。ダウにとって、直近の4日連続の下落は4月後半以来の最長記録となっていた(CNBC)。
原油価格の下落と中東情勢の影響
市場の反発を後押ししたのは、中東での緊張激化により急騰していた原油価格の落ち着きだ。WTI原油先物は3%下落して1バレル=99.44ドルとなり、ブレント原油先物も2.74%から3%下落し、104.45ドルから104.68ドルの水準まで後退した(CNBC、Durango Herald)。
原油価格は、イランが米国の同盟国であるクウェートにミサイルを撃ち込んだことなどで一時的に上昇し、ブレント原油は一時は110ドル近くまで達していた。また、イラン側は米国がホルムズ海峡のインフラや軍への攻撃を続ける限り、戦争をエスカレートさせると表明している(NY Post、cnbctv18.com)。こうしたエネルギー価格の上昇は米国内のガソリン価格を押し上げており、AAAによると全米平均のガソリン価格は1ガロンあたり4.14ドルに跳ね上がった(NY Post)。
インフレデータとFRBの金利政策への展望
最新の米消費者物価指数(CPI)が発表され、8月のCPIは前月比0.4%増、前年比3.4%増となり、ダウ・ジョーンズの予測と一致した。ただし、エネルギーと食品を除いたコアCPIは前月比0.3%上昇し、予想をわずかに上回った(CNBC)。

この結果を受けて、連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げへの期待が高まっている。CMEグループのFedWatchツールでは、来週の会合で0.25%の利上げが行われる確率が85.6%となっている。2年債の国債利回りは、利上げ期待を反映して2024年7月以来の最高水準に達した(CNBC)。

プリンシパル・アセット・マネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト、シーマ・シャー氏は、政策立案者が価格安定を再確立するために、1回以上の利上げが必要だと結論づける可能性が高いと述べている(CNBC)。一方で、FRBのクリストファー・ウォラー理事は、最近の傾向にディスインフレの兆候が見られるとして、金利を据え置く意向を示していた(NY Post)。
個別銘柄およびその他の経済指標
個別銘柄では、スーパーマーケットチェーンのクローガーが、アナリスト予想を上回る四半期利益を報告し、株価が2.3%上昇した(Durango Herald)。また、オラクルは予想を上回る利益と収益を報告し、一時的に株価が8.5%急騰したが、その後は落ち着き、0.5%上昇で取引された(Durango Herald)。
また、ミシガン大学の速報レポートによると、米国の消費者心理は低下しており、今後1年間の期待インフレ率は前月の4%から4.6%へと上昇した(Durango Herald)。
原油備蓄と政府の対応
米国の戦略石油備蓄(SPR)は3億バレルを割り込み、40年以上で最低水準となっている。これに対し、トランプ大統領はベネズエラとの歴史的な合意を発表し、米国の備蓄を「2倍以上に」増やす方針を示した。この合意により、ベネズエラ産原油650億バレル以上の過半数の権益を確保し、ガソリン価格を抑制することを目指しているが、専門家は価格への即時的な影響は限定的であると指摘している(NY Post)。