『ホイール・オブ・フォーチュン』の長年のナレーターであるジム・ソーントン氏が、ソニー・ピクチャーズ・テレビジョン・スタジオにより無期限の停職処分を受けた。この決定は、5月14日に搭乗したアメリカン航空1276便での機内トラブルに関する調査を受けたもの。現在、同スタジオは後任の選定を進めている。
アメリカン航空1276便での機内トラブル
2026年9月1日、ジム・ソーントン氏の停職が明らかになった。今回の処分は、今年5月に発生した航空機内での出来事に端を発している。各メディアの報道によると、ソーントン氏は当時、アメリカン航空1276便に搭乗しており、機内で他の乗客から懸念が示されたことで客室乗務員が対応する事態となった。
事態を重く見た機長は、ロサンゼルス国際空港への到着前に法執行機関へ通報した。到着時、ソーントン氏はゲートで待機していた警察官から職務質問を受けた。複数の報道機関によると、彼は当時『ホイール・オブ・フォーチュン』のジャケットを着用していたという。なお、警察による聴取の後、ソーントン氏は釈放されている。
アメリカン航空は、メディアに対する声明の中で次のように事実を認めている。
「5月14日、アメリカン航空1276便は、搭乗中の顧客から報告された懸念を受けて、ロサンゼルス国際空港への到着時に法執行機関によって出迎えられました。」 アメリカン航空の広報担当者
ソニー・ピクチャーズによる調査と後任選定
番組制作会社のソニー・ピクチャーズ・テレビジョン・スタジオは、今回の事態を受けて公式声明を発表した。同スタジオはソーントン氏を停職処分とし、事実関係の詳細な調査を行うとともに、ナレーターの交代を準備している。
「私たちは最近、ジム・ソーントンに関する申し立てを認識しました。彼は『ホイール・オブ・フォーチュン』から停職処分となっており、徹底的な調査を行う間、私たちは配役の再選定を行っています。」 ソニー・ピクチャーズ・テレビジョン・スタジオの広報担当者

スタジオ側は、申し立ての具体的な内容については現時点で公開していない。ソーントン氏は2011年から同番組のナレーターを務めてきた。これは、1975年から2010年まで長年ナレーターを務めたチャーリー・オドネル氏の急逝を受けた人事であった。ソーントン氏は『ホイール・オブ・フォーチュン』のほか、『セレブリティ・ホイール・オブ・フォーチュン』や『ザ・プライス・イズ・ライト』、『ザ・クリーブランド・ショウ』といった番組でもナレーションや声の出演を担当してきた経歴を持つ。
番組の歴史と近年の変遷
ソーントン氏の停職は、長年番組の顔であったパット・サジャック氏が2024年に司会を引退し、ライアン・シークレスト氏が後任として番組を引き継いだという大きな転換期の中で発生した。サジャック氏は40年以上にわたって番組を支え、2025年には引退を迎えていた。また、長年の共同司会者であるヴァナ・ホワイト氏は、シークレスト氏との契約延長により番組への残留を表明している。

ソーントン氏の停職に伴い、番組制作側は現在、新たなナレーターの選定作業に追われている。業界関係者やファンからは、長年番組の象徴的な声として親しまれてきたソーントン氏の突然の不在が、今後の放送にどのような影響を与えるのか注目が集まっている。現時点でソーントン氏側からの公式な反論やコメントは発表されておらず、調査の進捗次第で今後の状況が左右される見通しだ。