サッカーのアルゼンチン代表で主将を務めてきたリオネル・メッシが、代表チームからの引退を正式に発表した。2005年に18歳で代表デビューを果たして以来、20年にわたり母国の顔として世界の第一線で牽引し続けてきたが、ここで代表のユニフォームを脱ぐ決断を下した。
アルゼンチン代表からの引退表明と20年の歩み
発表は月曜日に行われ、自身のInstagramなどをを通じてファンへの感謝と別れのメッセージが伝えられた。メッセージの中でメッシは、それは辛く、今でも深く心を痛める決断であったが、時が来たと理解していると心境を語り、すべてを勝ち取ったここ数年だけでなくそれ以前から常に全力を尽くしてきたと誓い、ファンに喜びをもたらしサッカーを通じてアルゼンチン人であることに誇りを感じてもらうため、このユニフォームのために常に戦いピッチにすべてを捧げてきたと胸中を明かしている。
栄光と苦難に満ちた代表キャリアの軌跡
メッシの国際舞台におけるキャリアは、数々の栄冠と挫折の歴史であった。アルゼンチン代表として通算207試合に出場。ワールドカップには記録に並ぶ6大会に出場を果たし、カタールで開催された2022年の大会では悲願のワールドカップ制覇を成し遂げた。また、コパ・アメリカでも2度のタイトルを獲得している。
一方で、道のりは平坦ではなかった。2014年のワールドカップで準優勝に終わり、2016年のコパ・アメリカ決勝ではPK戦の末に敗北を喫した直後に一度は代表引退を表明した経緯もある。その後代表に復帰し、長年の苦難を乗り越えて2021年や2024年のコパ・アメリカ、そして2022年のワールドカップでの戴冠へとつなげた。
今年夏に開催されたワールドカップでは、米国、メキシコ、カナダの共催のもと全8試合に出場して8ゴールをマーク。決勝ではスペインに延長戦の末敗れたもののチームを準優勝に導き、自身もFIFAワールドカップのシルバーボールを受賞するなど卓越した存在感を示した。
引退発表の背景と今後の去就
今回の引退発表の背景には、心身の限界や家族を巡る事情があった。メッシは、ワールドカップ決勝から2日後の7月21日にすでに引退声明を執筆していたと明かしている。決勝戦の敗北後には肉体的な限界に直面していたことを吐露しており、「この時は自分の肉体の限界を超えて頑張ろうとしたが、できなかった」と振り返っている。

また、父親であるホルヘ・メッシが健康上の問題を抱えた末に8月8日に母国ロサリオで死去したことも、このタイミングでの発表を決定づける要因となった。声明では、「時間があまり残されておらず、章が幕を閉じる。深く傷つく幕引きだ」と述べつつ、「代表チームの一員でいることが大好きだったし、これからもずっとそうだ。私にはもう何も与えるものがない。それに、ここにはふさわしい素晴らしい若い選手たちが育っている」と後進へ道を譲る思いを語っている。
なお、代表キャリアには幕を引くものの、クラブレベルでのキャリアは継続する。米国のメジャーリーグ・サッカー(MLS)のインテル・マイアミに所属しており、直近のCFモントリオール戦では4得点を挙げて7-1の大勝に貢献するなど、クラブでは引き続き圧倒的なパフォーマンスを見せている。インテル・マイアミでの契約は2028年までとなっており、今後はクラブでのプレーに注力していくこととなる。
メッシの主な国際大会実績と記録
メッシがアルゼンチン代表および国際舞台で残した主な実績と記録は以下の通りである。

* 代表通算出場:207キャップ
* ワールドカップ出場:6大会(史上最多タイ)
* ワールドカップ優勝:2022年(カタール大会)
* ワールドカップ準優勝:2014年、2026年
* コパ・アメリカ優勝:2回
* 個人表彰:FIFAワールドカップ ゴールデンボール(2014年、2022年)、シルバーボール(2026年)、シルバーブーツ(2022年)
長年にわたりアルゼンチンサッカー界を牽引し、悲願の世界一をもたらしたスーパースターの代表引退により、同国代表は一つの大きな時代的節目を迎えることになった。