メーガン・エリソン氏が設立した独立系エンターテインメント・メディア企業のアナプルナ(Annapurna)は、水曜日に約30人の従業員を解雇した。これは全従業員数約190人のうち16%(または15%以上)に相当する規模となる。
同社の広報担当者は、今回の削減についてビジネス状況を反映したものであると説明し、アナプルナは変動する市場環境の中で運営している独立系エンターテインメントおよびメディア企業であり、変化する状況に対応するために再編を行っていると述べた。また、影響を受けた従業員に対しては、移行期間中のサポートを提供しているとしている。
事業の転換と直近の動向
2011年に設立されたアナプルナは、かつては作家性の強いリスクの高い作品への出資で知られ、『her/世界でひとつの彼女』や『ゼロ・ダーク・サーティ』などの高く評価された作品を世に送り出してきた。しかし、2017年に自社での配給事業に乗り出したことでコストが増大し、2019年にはメーガン・エリソン氏が個人的に約2億ドルの債務を解消する事態となった。その後、2023年には配給部門をユナイテッド・アーティスツ・リリージング(United Artists Releasing)に統合している。
近年、同社はビデオゲームやインタラクティブ・エンターテインメント、テレビ番組、舞台などへの多角化を進めてきた。ゲーム部門では『Stray』などの成功を収めており、今後は2019年のヒット作の続編となる『Control Resonance』を9月にリリースする予定だ。また、音楽をテーマにした『Mixtape』やサバイバルホラーの『The Lost Wild』、さらに『Silent Hill』シリーズの『Townfall』などのプロジェクトも推進している。
映画部門の再始動と現状
一時期は活動が停滞していた映画部門だが、今年に入り再び注力する兆しが見えていた。今年3月の報道によると、かつての成功を支えた幹部であるチェルシー・バーナード氏とマシュー・バドマン氏を映画部門の共同責任者として再雇用した。また、サンダンス映画祭で1,200万ドル以上でA24社に売却されたオリヴィア・ワイルド監督の『The Invite』などの作品を手がけている。この作品は今シーズンの賞レース候補となっており、世界興行収入は5,000万ドルを突破した。
一方で、映画制作の規模は縮小しており、2026年のラインナップは『The Invite』とブーツ・ライリー監督の『I Love Boosters』の共同制作2作品のみとなっている。テレビ部門においても、2024年以降は新しいシリーズをリリースしていない。
エリソン家と業界の背景
メーガン・エリソン氏は、オラクル創業者で資産額約2,000億ドルのラリー・エリソン氏の娘である。彼女の兄弟であるデビッド・エリソン氏は、パラマウントのCEOであり、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー社との1,100億ドル規模の合併を推進している。この合併計画は、業界の集約による雇用喪失への懸念から州検事総長らによる反トラスト法訴訟に直面している。

デビッド氏が主導する合併が実現した場合、少なくとも60億ドルのコスト削減を目指して数千人規模の従業員削減が行われる見通しである。独立系ラベルとしてスタッフの大幅な削減を強いられたメーガン氏の状況は、業界の巨大資本を動かす兄弟の対照的な姿を浮き彫りにしている。
アナプルナの主な実績と展開
| 分野 | 主な作品・プロジェクト |
|---|---|
| 映画 | 『her/世界でひとつの彼女』、『ゼロ・ダーク・サーティ』、『Nimona』(2023年)、『The Invite』 |
| ゲーム | 『Stray』、『Control Resonance』(9月予定)、『Townfall』 |
| テレビ/舞台 | 『Pam & Tommy』、『A Strange Loop』(トニー賞ノミネート) |
今回の人員削減において、どの部門が最も大きな影響を受けたかは明らかになっていない。また、上級管理職に解雇者が含まれているかについては、現在確認中であるとしている。
