ウクライナ軍は8月24日、ロシア第2位の電子商取引(EC)大手Ozon(オゾン)の物流センターを標的としたドローン攻撃を敢行した。ロシア南部を中心に複数の施設が攻撃を受け、火災の発生や従業員の避難を余儀なくされた。ウクライナ国防省は、これらの倉庫に軍事転用可能な物資が保管されており、ロシア軍を支援する供給ネットワークの一部となっていると主張している。
南部各地の物流拠点に被害、火災と操業停止
Ozon社によると、月曜日の夜間にロシア南部の物流ハブ4か所が攻撃を受けた。ダゲスタン共和国のマハチカラにあるセンターでは、現地時間午前5時頃にドローン攻撃を受けて火災が発生し、数人が負傷した。同社はこの施設の操業停止を発表している。また、クラスノダール地方のエネムにある物流センターでも大規模な火災が報告されたが、スタッフは避難し、死傷者はなかったとされる。
さらに、スタヴロポル地方のネヴィノミスクにある物流ハブでも火災が発生した。同地の知事ウラジーミル・ウラジミロフ氏は、市内の工業地帯がドローン攻撃を受けたことを認めた。一方、アディゲイ共和国のアディゲイスクにある倉庫では、ドローン攻撃の脅威により避難措置が取られたが、被害は免れた。同社はコーカサス地方の近隣倉庫についても一時的に閉鎖したとしている。
民間施設への波及と人的被害
物流施設への攻撃に伴い、民間地域でも被害が出ている。クラスノダール地方の知事ヴェニアミン・コンドラチェフ氏によると、撃墜されたドローンの破片が私立の児童保育センターに落下し、子供2人が死亡、子供7人と大人2人の計9人が負傷した。ロシアの人権責任者マリア・リヴォワ=ベロワ氏は、クラスノダールの攻撃で別の子供6人が入院したと述べている。

また、コンドラチェフ知事は、ドローンの破片が住宅や建設中のアパートに落下したことも明かした。クラスノダール市内では、家庭用品小売業者Kuchenlandの施設でも火災が発生したことが報じられている。
経済的影響と戦略的背景
一連の攻撃は市場にも影響を与え、月曜日のモスクワ取引所でOzonの株価は一時20%から最大28%下落した。また、同社の主要株主であるプライベート・エクイティ会社AFK Sistemaの株価も13%以上下落した。

ウクライナ側は、ロシアの経済を弱体化させ、市民の安全感を揺さぶる目的で、ロシア後方に戦争を持ち込むキャンペーンを展開している。今回のOzonへの攻撃は、最大手競合社であるWildberriesの施設に対する数週間にわたる攻撃に続くものである。ウクライナ国防省は、Wildberriesの最大15の物流ハブを攻撃した後、「次はOzonの番だ」と述べた。Wildberriesについては、ドローン部品などの軍事装備をロシア軍に供給していた疑いが持たれている。
攻撃の推移とロシア側の反応
Ozonへの攻撃は8月22日のサマラ州、23日夜のオレンブルクでの攻撃に続き、3夜連続で実施された。これにより、土曜日から月曜日にかけて計6つのOzon施設が標的となった。
| 地域・都市 | 被害・状況 | 発生日(報告) |
|---|---|---|
| ダゲスタン共和国(マハチカラ) | 火災発生、数人が負傷、操業停止 | 8月24日 |
| クラスノダール地方(エネム) | 大規模火災、スタッフ避難 | 8月24日 |
| スタヴロポル地方(ネヴィノミスク) | 火災発生 | 8月24日 |
| アディゲイ共和国(アディゲイスク) | 避難措置(被害なし) | 8月24日 |
| サマラ州 | 攻撃により操業停止 | 8月22日 |
| オレンブルク | ドローンが衝突し爆発 | 8月23日夜 |