WNBA(全米女子プロバスケットボールリーグ)の試合中、観客がコート上に性具を投げ込むという妨害行為が相次いで発生しています。これらの行為は選手の安全を脅かすだけでなく、女性スポーツへの不敬であるとして、多くの選手が強い怒りと懸念を表明しています。
相次ぐ妨害事件の状況
直近では、複数の試合で同様の事態が発生しています。ある試合では、アトランタ・ドリーム対ロサンゼルス・スパークス戦の第3クォーター残り2分59秒、スパークスのジヒョン・パク選手がフリースローラインに立った際、緑色の物体が目の前に飛んできました。アリーナ職員はコートから3つのアイテムを回収したと報じられています。
また、ゴールデンステート・ヴァルキリーズの試合でも被害が出ています。アトランタ・ドリームとのアウェイ戦では、第4クォーター残り1分を切ったタイミングでネオングリーンの性具がフリースローライン付近に落下しました。さらにその3日後、シカゴ・スカイとの対戦中、第3クォーター序盤に同様の緑色の性具がベースラインを越えて投げ込まれ、審判が試合を一時中断させる事態となりました。
選手の反応と安全への懸念
選手たちは、これらの行為が単なるいたずらではなく、物理的な危険を伴うものであると訴えています。
- セシリア・ザンダラスィーニ(ヴァルキリーズ): とても危険だったと述べ、事態に困惑しながらも集中力を維持したことを語りました。
- ティファニー・ヘイズ(ヴァルキリーズ): 選手の一人が当たりそうになったとし、危険性を強調しました。
- イザベル・ハリソン(ニューヨーク・リバティ): Xへの投稿で、コートに物を投げる行為は非常に危険であり、アリーナのセキュリティに改善を求めました。
- ソフィー・カニンガム(インディアナ・フィーバー): Xでコートにディルドを投げるのはやめてください……誰かを傷つけることになりますと警告しました。
- エリザベス・ウィリアムズ(シカゴ・スカイ): 非常に失礼だ。目的がわからないし、本当に未熟であると批判しました。
- ナターシャ・クラウド(シカゴ・スカイ): 性具を投げる男性たちをダサい奇妙と表現し、女性をどう思っているかを物語っていると厳しく批判しました。
妨害の背景とトランスジェンダー論争
これらの妨害行為の背後には、暗号資産(仮想通貨)のミームコイン・グループが存在しています。2025年には2週間の間に6試合で6つの性具が投げ込まれ、当時のグループはインフルエンサーへの支払いを避けるための「バイラル・スタント」として注目を集める目的だったと語っていました。

しかし、今回の妨害について同グループはXでの投稿で、WNBAのトランスジェンダー選手に関するポリシーに抗議することが目的であると主張しています。グループは、WNBAが「女性」を生物学的性別で定義することを拒否しており、生物学的男性が女性と共に競技することを許容していると批判し、明確な定義がなされるまで妨害を続ける意向を示しています。
WNBAの団体協約(CBA)では、「女性である選手のみがWNBAでプレーする資格を持つ」と規定されています。現在、リーグ内で活動しているトランスジェンダー選手はいませんが、インディアナ・フィーバーのソフィー・カニンガム選手が、若い少女たちが「生物学的男性と対戦させられるべきではない」と発言したことで、米国国内で激しい議論が巻き起こっています。
リーグの対応と今後の処置
WNBAは、コートに性具を投げ込んだ観客はリーグから追放され、訴追される可能性があるとしています。実際にロサンゼルスのアリーナで試合を妨害した男性観客は、セキュリティスタッフに拘束され、WNBAの試合への永久入場禁止処分を受けることになりました。

一方で、シカゴでの妨害行為に関与した人物が拘束されたかはまだ明らかになっていません。選手やファンからは、アリーナのセキュリティ強化と「ファン行動規範」の厳格な運用を求める声が高まっています。