世界最高齢のエテル・カテラムさんは2026年8月21日、イギリス・サリー州のケアホームで117歳の誕生日を迎えた。英国内の記録としては史上最高齢であり、世界でも13人目の117歳到達者となった。長寿の秘訣として、口論を避けて自分の意思を貫くライフスタイルを挙げている。
117歳の誕生日と「多くの初めて」に満ちた一年
世界最高齢の女性であるエテル・カテラムさんは、ロンドンから南西に約32マイル離れたサリー州ライトウォーターのホールマーク・レイクビュー・ケアホームで、家族や友人、他の入居者らに囲まれて低調かつ控えめな祝宴を開き、誕生日を過ごしている。超凡な高齢者に関する研究機関である「ロンジェヴィクエスト(LongeviQuest)」の最高経営責任者(CEO)であるベン・メイヤーズ氏によると、カテラムさんはイギリス人で初めて117歳に到達した人物であり、世界で117歳の誕生日を祝った13人目の人物であるという。
今週、カテラムさんはロンジェヴィクエストに送った声明の中で、過ぎ去った1年間を振り返り次のように述べた。「Thank you for all of the kind birthday wishes. Even at 117, I’ve had many firsts this year, from stroking a llama to holding hands with the King.」
チャールズ国王との面会と王室の記憶
昨年9月18日には、かねてより対面を希望していたチャールズ国王がカテラムさんを訪問した。面会の際、カテラムさんは金色のファー付きスパンコールのスリッパにセージ色のドレス、淡いピンクのショールという装いで国王を出迎えた。二人は手をつなぎながら会話を交わし、国王が自己紹介を行った。

カテラムさんは、1969年に当時21歳だった国王がプリンス・オブ・ウェールズ(ウェールズ公)に叙任された当時のことを回想し、「All the girls were in love with you and wanted to marry you.」と国王に語りかけた。カテラムさんは、1909年8月21日に第一次世界大戦が始まる5年前にハンプシャー州で生まれてから現在に至るまで、イギリス王位に就いた6人のうちの最後のエドワード7世の治世を知る、最後に生存している国民である。なお、エドワード7世は1910年5月に崩御している。
長寿を支えた「口論をしない」独自の哲学
カテラムさんは1909年8月21日にハンプシャー州シプトン・ベリンジャーで生まれた。18歳のときには船でインドへ渡り乳母として働き、その後イングランドへ帰国した後にイギリス陸軍の士官(陸軍中佐)であるノーマン・カテラムさんと結婚した。夫のノーマンさんとは1931年に英国でのディナーパーティで出会い、その後は夫と共にジブラルタルや香港に居住し、2人の娘をもうけた。香港では託児所(ナーサリースクール)を開設した経歴もある。
カテラムさんは晩年に至るまで驚くほど自立した生活を維持した。1976年に夫のノーマンさんが亡くなった後、67歳で自動車の運転を学び、97歳になるまで運転を続けた。また、2020年には110歳という年齢で新型コロナウイルスに感染したものの生還を果たしており、ギネス世界記録(Guinness World Records)によれば、新型コロナウイルスから生還した最高齢の人々のひとりとなっている。
長生きの秘訣について、カテラムさんは moderation(節度)や独自の哲学を挙げており、『インディペンデント』紙などに対して次のように語っている。「I never argue with anyone. I listen to what they say, and then do as I like.」さらに別の表現として、「I’ve enjoyed everything in life, but in moderation」とも述べている。
世界中の最高齢者たちからの祝福
カテラムさんは、2025年4月に前年の世界最高齢者であったブラジル人の修道女シスター・イナ・カナバロ・ルカスさんが116歳で死去したことに伴い、世界最高齢の称号を継承した。なお、史上最高齢の記録は122歳まで生きたフランスのジャンヌ・カルマンさんが保持しており、カテラムさんはその記録には5年足りないものの、家族や友人に囲まれながら前向きに人生を楽しんでいる。

117歳の誕生日を迎えたカテラムさんに対し、ブラジルに住む世界最高齢の男性であるジョアン・マリーニョ・ネトさん(113歳)からもお祝いのメッセージが送られた。ジョアン・マリーニョ・ネトさんは、ポルトガル語で「エテルにおめでとう」を意味する「Parabéns Ethel」と書かれたメッセージボードを手に持ち、微笑みながら写真撮影に応じた。ネトさんは昨年のカテラムさんの116歳の誕生日にも祝福のメッセージを送っていた。