ドナルド・トランプ米大統領は月曜日、ミシガン州ミルフォードにあるゼネラルモーターズ(GM)の広大な施設を視察し、自身の経済政策が自動車産業と米国の製造業を復活させたと主張した。この施設は、GMが車両の改良を行うために利用している米国最古の専用車両テスト施設であり、4,200人の従業員が勤務している。
「アメリカ・ファースト」と関税の成果を主張
視察の中でトランプ大統領は、最新バージョンのシボレー・サバーバン、GMCシエラ、シボレー・シルバラードなどのモデルを案内された。大統領はこれらの生産が関税によって後押しされたと論じ、「GMにとって関税が何をもたらしているかは驚くべきことだ」と述べた。また、米国の250周年記念に特別に製作された白いコルベットのボンネットに署名し、デトロイトに拠点を置くGMについて「彼らは長い道を歩んできた」と記者団に語った。
自身の関税政策について、トランプ大統領は「世界の他の国々は私のことを愛していないが、それで構わない。これは『アメリカ・ファースト』と呼ばれるものだ」と述べ、関税が国内産業に寄与していることを強調した。ホワイトハウスのリズ・ヒューストン報道官は声明で、大統領がミシガンの労働者を再び職に就かせると約束し、それを実行していると述べた。
カナダへの高率関税と経済的リスク
一方で、トランプ政権が導入した広範な関税が州経済に悪影響を及ぼしているとの指摘もある。特に、自動車や自動車部品を含む幅広いカナダ製品に対し、最大50%に達する新たな高率関税が課されている。ミシガン州の経済はカナダへの依存度が高いため、これらの新関税が懸念材料となっている。
自動車メーカー側は、関税がビジネスコストを増大させ、結果的に消費者価格の上昇を招くと長年主張してきた。また、ミシガン州ではインフレの高止まりや、イランとの戦争激化に伴うガソリン価格の上昇も経済的な不安要素となっている。YouGovが7月22日に9,695人の米国人を対象に行った調査によると、約4分の3の回答者が関税によって価格上昇に直面していると回答している。
8月4日の州内プライマリーに向けた政治的意図
今回の訪問は、8月4日に予定されているミシガン州のプライマリー(予備選挙)を前に行われた。トランプ大統領は1時間を超える演説の中で、経済、イランとの戦争、ベネズエラの指導者を打倒した米軍の作戦など、多岐にわたる話題に触れた。
政治的な背景として、トランプ大統領は知事候補で自身が支持するジョン・ジェームズ氏の指名獲得を確実にする狙いがある。ミシガン共和党の元執行責任者であるジェイソン・ロー氏は、今回の訪問は関税導入のタイミングよりも、州のプライマリーが比較的遅い時期に行われることに起因していると分析している。
ミシガン州は、2020年にジョー・バイデン氏を支持したが、2024年にはトランプ大統領が反転させた激戦地の一つである。一方で、デトロイト北郊外を含むオークランド郡などの地域では、2020年にバイデン氏、その4年後にはカマラ・ハリス副大統領を支持するなど、民主党への支持が強まる傾向にある。
【参考】カナダ製品への関税に対する世論調査
| 調査対象・項目 | 結果・詳細 |
|---|---|
| 米国人のカナダ関税への賛否 (YouGov) | 49%が強く反対、11%がやや反対 |
| 米国人の価格への影響 (YouGov) | 46%が「大幅に上昇」、26%が「少し上昇」 |
| カナダ人の米政権への信頼 (Angus Reid) | 75%が「合意を守ると信じない」 |
| カナダ側の対応策 (Angus Reid) | 34%が「同等の関税で対抗」、28%が「限定的な対抗関税」 |