ラジオ・テッサロニキが伝えた機内の減圧と乗客の証言
事故の発生時、機内では多くの乗客が休息をとっていた。ラジオ・テッサロニキ(Radio Thessaloniki)の取材に対し、ある乗客は当時の状況を「私たちはほとんど眠っていて、目を閉じていました。タイヤが破裂したような音がしました」と証言した。さらに、「すぐに減圧が起きたと理解しました。悲鳴が上がり……一瞬、誰かが誤って非常口を開けたのかと思いました。マスクが落ちてきて、強い臭いがしました。乗客の一人の頭と肩が窓の外に出ていました。幸いなことに、彼はシートベルトを外していませんでした」と語っている。

スヴェトラーナ・グルコヴィッチが夫の足を掴み救出した一部始終
男性の妻であるスヴェトラーナ・グルコヴィッチ(Svetlana Grković)さんは、セルビアのメディア「Nova」に対し、当時の緊迫した状況を次のように明かした。「夫の体の半分が機外に突き出ていました。私は即座に反応して彼の足を掴みました」。彼女は「もし私たちが死ぬのなら、一緒に死のう」と考えながら、彼を支え続けたと語った。男性は上半身が機外の気流(スリップストリーム)にさらされた状態で約2分間から5分間留まり、その間に意識を3度失ったとされる。周囲にいた他の乗客らも協力し、男性を機内に引き戻すことに成功した。この間、機体は追跡データによると9,000フィート(約2,700メートル)急降下した。

男性は救助後、ギリシャの病院に搬送された。ギリシャの医療労働組合「Poedin」の会長であるミハリス・ジャンナコス(Michalis Giannakos)氏は、男性が凍えるような外気による摩擦熱(摩擦火傷)とショック状態にあり、治療を受けていることを明らかにした。AP通信が引用した匿名の病院関係者によると、男性は首と肩の負傷、および摩擦火傷の治療を受けているという。
ボーイング737-800型機の窓脱落事故を調査する航空当局
今回の事故機は、米国製のボーイング737-800型機である。北マケドニアの上空で発生したこの事態を受け、現在、複数の国際的な航空当局が調査を進めている。これには、製造元であるボーイング社、米国連邦航空局(FAA)、および欧州連合航空安全機関(EASA)が含まれている。事故の直接的な引き金については、エンジンの不具合により破片がアクリル製の窓を突き破ったという報告がある一方で、調査は進行中であり、当局による詳細な検証が待たれている。

SNS上では事故当時の機内の様子を捉えたとされる動画が拡散されており、機内の酸素マスクが垂れ下がり、パニックの中で乗客が座席を移動する様子が報告されている。この事故は「あわや大惨事」と評されており、関係当局は、男性がシートベルトを着用し続けていたことが、最悪の事態を免れた最大の要因であると分析している。
現在、当該の男性はギリシャの病院で治療を継続している。今回の事故の影響により、機体はテッサロニキ空港へ引き返した。事故後のフライト運用や再発防止に向けた具体的な措置については、今後の調査報告を待って判断される見通しである。
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