「イスラエル、ヒズボラ拠点攻撃 ティルス住民に強制避難命令」
イスラエル軍は5月27日、レバノン南部の主要都市ティルスおよび周辺地域に対し、強制的な避難命令を発令した上で攻撃を開始した。軍はヒズボラの拠点を標的としていると発表しており、ザフラニ川以南を「戦闘地域」と指定して住民に北上を促している。この動きは、両国間の停戦合意違反に対する報復として実施された。 ティルスへの避難命令と軍事作戦の拡大 イスラエル軍は27日、レバノン南部の都市ティルスおよびその周辺の村々に対し、即時の避難を求める警告を発した。これは、レバノン国内でも最大規模の都市を対象とした大規模な避難命令である。軍が発表した地図には、地中海沿岸に位置するティルスの大部分が含まれており、住民はザフラニ川の北側へ移動するよう指示された。ザフラニ川はイスラエル・レバノン国境から北へ約40キロ(25マイル)の地点を流れている。 イスラエル軍のアラビア語報道官であるアヴィチャイ・アドラーイ(Avichay Adraee)氏は、ソーシャルメディアを通じてこの方針を公表した。同氏は、今回の軍事行動の正当性について次のように述べている。 アヴィチャイ・アドラーイ(Avichay Adraee)報道官、イスラエル国防軍(IDF) アルジャジーラの報道によると、避難警告から約2時間後、イスラエル軍はティルス地域にあるヒズボラの拠点を攻撃したと発表した。この攻撃に先立ち、レバノン軍はベカー高原付近で自軍の兵士1名が死亡したことを確認し、その遺体を回収したと報告している。また、ティルス地区のデイル・アマスの町では2名が死亡したと伝えられた。 激化する武力衝突と「戦闘地域」の定義 イスラエル国防軍の発表によると、27日だけでティルス、ナバティエ、ベカー渓谷などレバノン南部全域で150以上の標的が攻撃を受けた。これに対し、ヒズボラ側もロシュ・ハニクラやシュロミに向けてドローンを投入し、キリヤット・シュモナでは警報が鳴り響く事態となった。エルサレム・ポストは、ヒズボラがイスラエル軍に対してドローン攻撃を継続しており、イスラエル側でも兵士の負傷者が増加していると報じている。 戦闘は激しさを増しており、ザウター・アル・シャルキヤの町ではヒズボラの戦闘員が「敵軍と至近距離で衝突した」と主張する事態も発生した。また、レバノン公衆衛生省のデータによれば、26日に行われたイスラエル軍による南部および東部への攻撃では、少なくとも31名が死亡、40名が負傷する被害が出ている。 特に東部戦線では大規模な攻撃が続いており、西部ベカーのマグハラや、戦略的要衝であるカラウン・ダムも標的となった。これらの軍事行動は、イスラエル側が4月17日に設定された「イエローライン」を超えてレバノン深部へ侵攻している状況と連動している。 侵攻の目的と今後の展望