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2025-07-05 06:00:00
- 大規模言語モデル(LLM)を用いて動物のコミュニケーションパターンを解読する研究が進められている。
- グーグル・ディープマインドは、「DolphinGemma」というLLMを開発し、これでイルカの鳴き声を解析してその意味を明らかにしようとしている。
- また、アース・スピーシーズ・プロジェクトも、人間以外の生物のコミュニケーションを解読するためのLLMの構築に取り組んでいる。
イルカの発する音を理解しようとする研究でAI(人工知能)を活用している科学者たちがいる。それは、世界を変えるほどの影響をもたらす可能性を秘めている。
「いつか動物と会話できるようになりたい」と、グーグル・ディープマインド(Google DeepMind)で自然関連研究を率いるドリュー・パーヴス(Drew Purves)が、同社のポッドキャストで語っている。
ディープマインドのAI研究所では、すでにこの目標に向けて「DolphinGemma」という大規模言語モデル(LLM)の開発プロジェクトに取り組んでいる。これは「イルカの音声データを用いて、イルカのコミュニケーションの仕組みを研究できるよう支援するLLM」と位置づけられている。
このプロジェクトは、「ワイルド・ドルフィン・プロジェクト」による調査データを用い、ジョージア工科大学の研究者と共同で進められており、イルカがコミュニケーションのために用いる信号の解読と、その音をAIに再現させて「返答」できるようにすることを目指している。
「イルカが発する音を取り込み、それを分離、トークン化(データを小さな単位に分割)し、LLMで扱えるようにする」と、パーヴスは説明する。「これは、従来では不可能だったレベルで動物のコミュニケーションを研究するために、AIが積極的に活用されている事例のひとつだ」
この種のLLMは、世界の集合知に大きな影響を与える可能性があるとパーヴスは考えている。
「現在我々が行っているのは、既知の情報の穴を埋める作業がほとんどだ。しかし、本当の変化というのは、長い目で見れば、ある種の覚醒から生まれるのかもしれない。こうした瞬間には、人々が一夜にして自然との関係を変えてしまうものだ」
このような取り組みは、すでに何年も前から進められている。2017年に設立された非営利団体「アース・スピーシーズ・プロジェクト(Earth Species Project)」は、AIを活用して人間以外の生物のコミュニケーションを解読しようとしている。
同団体が開発した「NatureLM-audio」は、「動物の音声に対応した世界初の大規模音声・言語モデル」であり、研究者が種の識別や分類を行うのを支援するほか、新種の鳴き声を検出・認識することも目指しているという。
この研究により、ゾウやヨウム、マーモセットなど多くの動物種が、お互いに名前で呼び合っていることが明らかになったと、同団体の共同創設者兼CEOであるケイティ・ザカリアン(Katie Zacarian)が、2024年に開催された「Axios AI+ SFサミット」で語っている。
「我々のビジョンは、人類を自然界の他の存在と再びつなぎ直し、すべての生物種が多様性を保ちながらともに繁栄できるようにすることにある。我々が直面している問題、すなわち自然を搾取し、従わせ、利用し続けるような人間中心のあり方を加速させたり、悪化させたりすることが目的ではない。それは本来の目指すところではないのだ」
すべてが明らかになったとき、人類はもはや動物界の頂点に位置する存在ではなくなっているかもしれない。
アース・スピーシーズ・プロジェクトの共同創設者兼代表であるアザ・ラスキン(Aza Raskin)は『サイエンティフィック・アメリカン』にこう語っている。
「かつて我々は宇宙を見渡し、地球が中心ではないと気づいた。これらのツールは、あらゆる存在との関係の中で人類をどう位置づけるかという認識そのものを、大きく変えることになるかもしれない」
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