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新NISAで投資意欲は確実に高まった。同時に、若年世代ほど日本に期待していない実態も浮き彫りに | Business Insider Japan

家計の金融資産の「貯蓄から投資」への流れは確実に加速している。ロイター/一島加藤日銀は3月21日、2024年12月末時点の資金調達サイクル統計を発表した。家計の金融資産残高は前四半期(9月末)比2.3%増の2230.3兆円と過去最高を記録した【図表1】。【図表1】家計部門の金融資産構成の変化(1999年12月末と2024年12月末の比較)。なお、構成比の変化(右端)は統計の実数から差を計算した。出所:日本銀行「資金循環統計」より筆者試算・作成特に注目すべきは外貨性資産の伸びで、前四半期の98.5兆円から10%以上増えて108.8兆円とこちらも過去最高を記録した。ドル円相場は9月末の143円前後から12月末の157円前後まで10%弱上昇しており、その円安効果を受けて(外貨建ての預金や投資信託が有利になって)伸びたものと思われる。外貨性資産が家計の金融資産に占める比率(構成比)も前四半期の4.5%から4.9%へと0.4%ポイント拡大、過去最大となった【図表2】。【図表2】家計の金融資産における外貨性資産の保有比率(構成比)の推移。出所:日本銀行「資金循環統計」より筆者試算ほぼ四半世紀前、1999年12月末時点の家計の金融資産を見てみると、外貨性資産は12.5兆円、構成比は0.9%。金額にして8.7倍、保有比率では5.4倍と顕著に伸びたことが分かる。さて、外貨性資産が増えた分だけ(構成比では)何かの資産が減ったに違いないが、それは何だろうか。最も目立つのは円の現預金の後退だ。金額は748.1兆円から1126.9兆円へと増えたものの、保有比率では53.4%から50.5%へと大幅な低下を記録している。続いて後退したのが国債等で、金額は51.6兆円から31.8兆円へ、保有比率でも3.7%から1.4%へと半分以下まで低下した。消費を抑えて投資に回す「新NISA貧乏」を批判する人が分かっていないこと | Business Insider Japan外貨と株式へのシフト鮮明円貨性資産は軒並み何もかも保有比率が低下しているというわけではなく、株式・出資金は138.1兆円から298.1兆円へと倍以上に金額が増え、保有比率も9.9%から13.4%へと3.5%ポイントも上昇している。実は、円貨性資産の中で金額だけでなく構成比まで拡大したのは、この株式・出資金だけだ【図表3】。2024年末の株式・出資金の保有比率13.4%は間違いなく過去最高水準の数字だが、統計上の過去最高値は日経平均株価が史上初の4万円台に到達した2024年3月末の13.7%となっている。なお、保険・年金準備金は1999年12月末と比べて1.7%ポイントも保有比率が低下したものの、2024年12月末時点でも円貨性資産の中で最大となる24.4%を占めており、そこには外貨建て生命保険などの形で外貨性資産が少なからず含まれている可能性がある。仮に、保険・年金準備金の5%(約27兆円相当)が外貨建てだとすれば、外貨性資産の構成比は優に1%ポイント以上押し上げられる。10%が外貨建てなら2%ポイント以上だ。入手可能な統計資料からは精緻(せいち)な試算が困難なものの、上記の実態を踏まえると、家計の金融資産における外貨性資産の割合はすでに10%近いのかもしれない。ここまで資金循環統計を通じて見てきた家計の金融資産(の内訳)の変化をひと言でまとめるなら、外貨と株式を増やして現預金や国債を減らす「リバランス」が進んだ、ということになる。そして、それは自国通貨安によるインフレに適応した投資行動とも言える。デフレと通貨高に悩まされた過去は円の現預金に、インフレと通貨安に悩まされる近年は外貨を含むリスク性資産に、時代に応じて金融資産の配分をシフトさせてきたと考えれば、(足元では「資産運用立国」政策が奏功している部分があるにせよ)家計は総じて合理的な選択をしてきたように思う。日本の「中進国」「衰退国」化を明確に読み取れる「二つの兆候」。ウクライナ危機の3年間で鮮明に | Business Insider Japan「貯蓄」から「投資」ならぬ「逃避」へ新NISA(少額投資非課税制度)を利用した株式や投資信託などの買い付けの動きを年代別に見ると、若年世代が外貨を含むリスク性資産へと金融資産をシフトさせる勢い、すなわち運用意欲の高まりは顕著だ。旧NISAのスタート直後に当たる2014年3月末のNISA口座数は半分以上が60歳代以上に集中していたが、2024年1月の新NISA導入を経て、同9月末には60歳代以上の口座数は30%程度となっている【図表4】。【図表4】年齢別NISA口座数の比較(2014年3月末と2024年9月末が対象)。出所:金融庁資料より筆者作成一方、20代および30代の口座数は2014年3月末の10%程度から、2024年9月末に30%近くまで勢力を増している。最大シェアを占める年齢層も、同時期に60代・70代から40代・50代へとシフトした。資産運用への関心は明らかに現役世代に浸透し始めている。若年(20代、30代)世代は慢性的な円高に悩む日本経済を経験しておらず、円安インフレに苦しむ日本経済との実感を強めていることだろう。そうした実感が、米国株を中心とする海外資産への投資意欲につながり、さらにはそれが(円売りを通じて)円安に寄与している可能性は高い。それは「貯蓄から投資」への進展であると同時に、「円建て資産のままではマズい」という一種の防衛意識に根差した「貯蓄から逃避」とも言える。余計なひと言と言われそうだが、今後の日本経済を担う世代ほど日本に期待していない、国民意識の実態を浮き彫りにするデータとしても、資産運用関連のデータは興味深い内容を含んでいるように思える。※寄稿は個人的見解であり、所属組織とは無関係です。英エコノミスト誌、日本経済は高齢化で「頭脳停止」がすでに始まり、少子化対策も「政府は無力」と結論 | Business Insider Japan #新NISAで投資意欲は確実に高まった同時に若年世代ほど日本に期待していない実態も浮き彫りに #Business #Insider #Japan

新NISAで投資意欲は確実に高まった。同時に、若年世代ほど日本に期待していない実態も浮き彫りに | Business Insider Japan

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2025-03-27 02:01:00

家計の金融資産の「貯蓄から投資」への流れは確実に加速している。
ロイター/一島加藤

日銀は3月21日、2024年12月末時点の資金調達サイクル統計を発表した。

家計の金融資産残高は前四半期(9月末)比2.3%増の2230.3兆円と過去最高を記録した【図表1】。

【図表1】家計部門の金融資産構成の変化(1999年12月末と2024年12月末の比較)。なお、構成比の変化(右端)は統計の実数から差を計算した。
【図表1】家計部門の金融資産構成の変化(1999年12月末と2024年12月末の比較)。なお、構成比の変化(右端)は統計の実数から差を計算した。
出所:日本銀行「資金循環統計」より筆者試算・作成

特に注目すべきは外貨性資産の伸びで、前四半期の98.5兆円から10%以上増えて108.8兆円とこちらも過去最高を記録した。

ドル円相場は9月末の143円前後から12月末の157円前後まで10%弱上昇しており、その円安効果を受けて(外貨建ての預金や投資信託が有利になって)伸びたものと思われる。

外貨性資産が家計の金融資産に占める比率(構成比)も前四半期の4.5%から4.9%へと0.4%ポイント拡大、過去最大となった【図表2】。

【図表2】家計の金融資産における外貨性資産の保有比率(構成比)の推移。
【図表2】家計の金融資産における外貨性資産の保有比率(構成比)の推移。
出所:日本銀行「資金循環統計」より筆者試算

ほぼ四半世紀前、1999年12月末時点の家計の金融資産を見てみると、外貨性資産は12.5兆円、構成比は0.9%。金額にして8.7倍、保有比率では5.4倍と顕著に伸びたことが分かる。

さて、外貨性資産が増えた分だけ(構成比では)何かの資産が減ったに違いないが、それは何だろうか。

最も目立つのは円の現預金の後退だ。金額は748.1兆円から1126.9兆円へと増えたものの、保有比率では53.4%から50.5%へと大幅な低下を記録している。

続いて後退したのが国債等で、金額は51.6兆円から31.8兆円へ、保有比率でも3.7%から1.4%へと半分以下まで低下した。

消費を抑えて投資に回す「新NISA貧乏」を批判する人が分かっていないこと | Business Insider Japan

消費を抑えて投資に回す「新NISA貧乏」を批判する人が分かっていないこと | Business Insider Japan

外貨と株式へのシフト鮮明

円貨性資産は軒並み何もかも保有比率が低下しているというわけではなく、株式・出資金は138.1兆円から298.1兆円へと倍以上に金額が増え、保有比率も9.9%から13.4%へと3.5%ポイントも上昇している。

実は、円貨性資産の中で金額だけでなく構成比まで拡大したのは、この株式・出資金だけだ【図表3】。

2024年末の株式・出資金の保有比率13.4%は間違いなく過去最高水準の数字だが、統計上の過去最高値は日経平均株価が史上初の4万円台に到達した2024年3月末の13.7%となっている。

なお、保険・年金準備金は1999年12月末と比べて1.7%ポイントも保有比率が低下したものの、2024年12月末時点でも円貨性資産の中で最大となる24.4%を占めており、そこには外貨建て生命保険などの形で外貨性資産が少なからず含まれている可能性がある。

仮に、保険・年金準備金の5%(約27兆円相当)が外貨建てだとすれば、外貨性資産の構成比は優に1%ポイント以上押し上げられる。10%が外貨建てなら2%ポイント以上だ。

入手可能な統計資料からは精緻(せいち)な試算が困難なものの、上記の実態を踏まえると、家計の金融資産における外貨性資産の割合はすでに10%近いのかもしれない

ここまで資金循環統計を通じて見てきた家計の金融資産(の内訳)の変化をひと言でまとめるなら、外貨と株式を増やして現預金や国債を減らす「リバランス」が進んだ、ということになる。

そして、それは自国通貨安によるインフレに適応した投資行動とも言える。

デフレと通貨高に悩まされた過去は円の現預金に、インフレと通貨安に悩まされる近年は外貨を含むリスク性資産に、時代に応じて金融資産の配分をシフトさせてきたと考えれば、(足元では「資産運用立国」政策が奏功している部分があるにせよ)家計は総じて合理的な選択をしてきたように思う。

日本の「中進国」「衰退国」化を明確に読み取れる「二つの兆候」。ウクライナ危機の3年間で鮮明に | Business Insider Japan

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「貯蓄」から「投資」ならぬ「逃避」へ

新NISA(少額投資非課税制度)を利用した株式や投資信託などの買い付けの動きを年代別に見ると、若年世代が外貨を含むリスク性資産へと金融資産をシフトさせる勢い、すなわち運用意欲の高まりは顕著だ。

旧NISAのスタート直後に当たる2014年3月末のNISA口座数は半分以上が60歳代以上に集中していたが、2024年1月の新NISA導入を経て、同9月末には60歳代以上の口座数は30%程度となっている【図表4】。

【図表4】年齢別NISA口座数の比較(2014年3月末と2024年9月末が対象)。
【図表4】年齢別NISA口座数の比較(2014年3月末と2024年9月末が対象)。
出所:金融庁資料より筆者作成

一方、20代および30代の口座数は2014年3月末の10%程度から、2024年9月末に30%近くまで勢力を増している

最大シェアを占める年齢層も、同時期に60代・70代から40代・50代へとシフトした。資産運用への関心は明らかに現役世代に浸透し始めている。

若年(20代、30代)世代は慢性的な円高に悩む日本経済を経験しておらず、円安インフレに苦しむ日本経済との実感を強めていることだろう。

そうした実感が、米国株を中心とする海外資産への投資意欲につながり、さらにはそれが(円売りを通じて)円安に寄与している可能性は高い。

それは「貯蓄から投資」への進展であると同時に、「円建て資産のままではマズい」という一種の防衛意識に根差した「貯蓄から逃避」とも言える。

余計なひと言と言われそうだが、今後の日本経済を担う世代ほど日本に期待していない、国民意識の実態を浮き彫りにするデータとしても、資産運用関連のデータは興味深い内容を含んでいるように思える。

※寄稿は個人的見解であり、所属組織とは無関係です。

英エコノミスト誌、日本経済は高齢化で「頭脳停止」がすでに始まり、少子化対策も「政府は無力」と結論 | Business Insider Japan

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#新NISAで投資意欲は確実に高まった同時に若年世代ほど日本に期待していない実態も浮き彫りに #Business #Insider #Japan

執筆者について: nipponese

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