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史上最大のM&A、セブン&アイは「9兆円」の買収額に見合うのか? 鍵はフランチャイズモデルにあり | Business Insider Japan

では、セブン&アイに買収を提案するほどのアリマンタシォン・クシュタールは、どういった企業なのでしょうか。 アリマンタシォン・クシュタールはカナダに本社を置く、1980年創業の会社であり、世界29カ国・地域でコンビニエンスストアやガソリンスタンドを展開するグローバル企業です。主に「Couche-Tard(クシュタール)」というブランドでカナダ国内に展開し、アメリカ及び他の地域では、日本にもかつて存在していた「Circle K(サークルK)」のブランド名で事業展開をしています。 2024年時点で、カナダに2142店舗、アメリカに7131店舗、ヨーロッパに5272店舗の世界各国合計で約1万4500店舗の店舗展開をしています。また、海外ライセンス事業としても2195店舗を展開しています。 2024年4月期におけるクシュタールの売上高は692億ドル(約10.86兆円)、営業利益は38億ドル(約5978億円)でした。同時期のセブン&アイの売上高は約11.5兆円、営業利益は約5342億円です。なので、売上高はセブン&アイ、営業利益はクシュタールが、わずかながら勝っています(図表7)。 ですが、2021年5月のスピードウェイ買収前のセブン&アイの売上高は5.77兆円前後でした。当時は、アリマンタシォン・クシュタールの売上高は約5.78兆円(2020年4月期)だったので、若干ながらもセブン&アイよりも上だったのです。 また、営業利益率で比較すると、セブン&アイは4.7%に対して、アリマンタシォン・クシュタールは5.5%。利益率ではアリマンタシォン・クシュタールに軍配があがっています。 出所:セブン&アイ 有価証券報告書及びアリマンタシォン・クシュタールのanual reportから筆者作成 ここで注目したいのがアリマンタシォン・クシュタールの売上高の構成です(図表8)。同社で最も大きい売上高の割合は、道路輸送燃料収益(Road transportation fuel revenues)、つまり主にガソリンの販売です。実際、アメリカにおけるコンビニ販売の売上高の多くは併設されているガソリンスタンドでの売上なのです。 出所:アリマンタシォン・クシュタールのanual reportから筆者作成 これは、アリマンタシォン・クシュタールだけでなく、セブン&アイのアメリカ子会社である7-Eleven, Inc.にも当てはまります。図表9は、7-Eleven, Inc.の売上高の構成を示したものです。アリマンタシォン・クシュタールより比率は低いものの、売上高の中ではガソリン売上高が多くを占めています。 出所:7-Eleven, Inc.の2024年2月期決算捕捉資料より筆者作成 なぜアリマンタシォン・クシュタールの方が市場では評価されているのか 売上高はセブン&アイが上回り、営業利益はほぼ同水準にも関わらず、なぜアリマンタシォン・クシュタールの方が時価総額が高い——言い換えると、株式市場で評価されているのでしょうか。その主な理由は2つ考えられます。第1はコングロマリットディスカウントです。 コングロマリットディスカウントとは、複数の事業を行うことで、それぞれの事業価値を合計した企業価値よりも、企業価値が下がってしまう現象のことを言います(図表10)。 出所:Business Insider Japan「ビジネス・インサイダー 商社、ソフトバンクG、ソニー…多角化企業はなぜ株式市場に低く評価されてしまうのか【バフェットと5大商社・中編】」から流用 例えば、セブン&アイはフランチャイズをベースとした国内コンビニ事業、アメリカではガソリン収益と自前を軸にしたコンビニ事業、さらには金融事業やスーパー事業等多数の事業を行っています。 一方で、アリマンタシォン・クシュタールは北米を軸にコンビニエンス事業とガソリン事業を行っています。これら事業構成を比較した場合、アリマンタシォン・クシュタールの方がリソースの配分が効率的だと考えられます。 もう1つは事業の成長機会です。セブン&アイは売上高自体は図表5で見たように伸びていますが、この要因はアメリカのコンビニ事業であり、国内コンビニ事業とその他スーパーマーケット事業等は縮小傾向にあります。 このような状況の中、日本国内での成長があまり期待できないことが、北米を軸に事業を展開しているアリマンタシォン・クシュタールよりも低い評価になっていることが考えられます。 セブン&アイの買収価格を実現する価値とは 「潜在的な株主価値の実現のため、全ての選択肢を客観的に検討している」 これは、セブン&アイへのMBOが公表された際に、リリース文に書かれていた内容で、セブン&アイの特別委員会委員長及び取締役会議長であるスティーブン・ヘイズ・デイカス氏による発言です。 現在セブン&アイへのMBOの買収価格は9兆円にものぼると報道されています。これはどれぐらいの金額なのでしょうか。アリマンタシォン・クシュタールによるTOBが提案された8月19日の1営業日前の8月16日時点のセブン&アイの時価総額は4兆5866億円でした。この時点でのPERは28.03倍です。翌日、TOB提案がなされた日には、時価総額は5兆6284億と、1兆円以上も上がり、PERも34.4倍にもなりました。 そして、11月13日に伊藤興業によるMBO提案が発表された際には、時価総額は6兆4853億とさらにあがり、PERは39.64倍とかなり高い水準圏になっています。 さらに経営陣によるMBOでは9兆円にも上ると報道されていて、PERで計算すると、55倍にもなり、成長著しいメガベンチャーのような高いPERとなっています。(図表11)。…

史上最大のM&A、セブン&アイは「9兆円」の買収額に見合うのか? 鍵はフランチャイズモデルにあり | Business Insider Japan

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2024-12-04 08:30:00

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執筆者について: nipponese

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