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2024-09-03 10:00:08
NASAのカッシーニ宇宙船が撮影した写真に写っているのは、太陽系最大の衛星ガニメデと木星だ。
NASA/JPL/アリゾナ大学
数十億年前の大規模な衝突により、木星最大の衛星ガニメデの方向が劇的に変化した可能性がある。
平田尚之 神戸大学の研究者らは、ガニメデの広大な溝状構造を研究した。この溝状構造は、 太陽系外縁部における最大の衝突構造の残骸。
溝システムの中心は、ガニメデの潮汐軸(常に惑星に面している月の側の中心から木星に向かって伸びる仮想の線)とほぼ一直線になっている。このことから研究者らは、溝を形成した衝突によって質量の大幅な再分配が起こり、月の向きが変わったのではないかと推測している。
研究者らはシミュレーションを通じて、原因となった衝突体の直径はおそらく約150キロメートルであると判定した。これは、地球上で恐竜を絶滅させた衝突体の直径が約10キロメートルと推定されているのに比べて大幅に大きい。
アンドリュー・ドンバード イリノイ大学シカゴ校の研究者は、もしそのような小惑星が地球に衝突したら、「それは地球規模の不妊化現象、悪い日となるだろう」と述べている。
この小惑星が衝突すると、ガニメデの氷の地殻が破れてその下の液体の海に突入し、一時的なクレーターを形成し、大量の物質を月の表面全体に吹き飛ばしたと考えられる。
これが落ち着くと、衝突地点の周囲に厚い噴出物層が形成され、余分な質量によって重力が強くなる領域ができた。シミュレーションによると、時間の経過とともに、この異常によりガニメデの向きが変わり、衝突地点が潮汐軸と一致するようになるという。

ガニメデの溝は古代の衝突構造の残骸であると考えられている
NASA/JPL/ブラウン大学
平田氏の研究チームは、このプロセスを冥王星での出来事と比較した。冥王星では、大きな衝突によってスプートニク平原と呼ばれる盆地が形成され、この矮小惑星の方向転換につながった。
しかし、ガニメデの衝突が月の初期の歴史に大きな影響を与えた可能性は高いものの、この極寒の世界の重力や地形に関する良好なデータがないため、衝突した物体の大きさを推定するのは複雑だと平田氏は言う。
ドンバード氏は、論文で使用されたモデルはガニメデの独特な氷構造の複雑さの一部を考慮していないと語る。「このプロセスが起こり得ることを証明するのに非常に良いモデルだと思いますが、数字を必ずしも信頼しているわけではありません」と同氏は言う。
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#巨大な小惑星の衝突が木星最大の衛星を倒した可能性