1714133369
2024-04-26 09:30:00
Illustration: Derplan13/Shutterstock, Alona Stanova/Getty Images, Design: Business Insider Japan編集部
「英語学習には興味があるけれど、なかなか上達しなくてやる気をなくしてしまう」「楽しくないので長続きしない」……あなたもそんな経験はないだろうか。
この連載では、海外映画やドラマを楽しみながら、かつ英語学習にも活かす方法をご紹介。ナビゲーターはAI英語学習アプリ「abceed(エービーシード)」を運営するGlobee代表の幾嶋研三郎さんだ。
毎回1つの作品を取り上げ、ビジネスパーソンがすぐに活用できるフレーズも教えてもらう。
この週末はあなたもおすすめ作品にどっぷりハマりながら、英語学習に挑戦してみてはいかがだろうか。
今年もGW(ゴールデンウィーク)の季節がやってきました。この季節に家族や友人と旅行に出かける方も多いのではないでしょうか。
また、GW中に映画館へ行って大きなスクリーンで映画鑑賞をする方も多いかと思います。
TOHOシネマズでは昨年、前年対比206%、興行収入は44.7億円を上げており、同社のゴールデンウィーク期間歴代最高記録を記録しました。
中でも、大ヒットとなったのが『名探偵コナン 黒鉄の魚影』と、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』といったファミリー層にも楽しめるアニメ作品です。
アニメ作品は今年も好調で、昨年12月に公開された『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』は、2024年に入ってもランキング上位をキープ、日本国内で8億円、全世界では2億ドルを突破(2024年1月時点)しました。
この作品は、主人公のケントとかわいい子犬たちからなる「パウ・パトロール」が、さまざまな街のトラブルを解決するお話です。個性豊かな子犬たちのお話で、子どもから大人まで楽しむことができます。
今回は、そんな『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』中のフレーズをご紹介。この作品を題材にして、今回も生きた英語を学んでいくことにしましょう。
英語学習をはじめるのに最適な映画
ある日、架空の街アドベンチャー・シティに魔法の隕石が落ちてくる。その隕石からマイティパワーを手に入れたパウ・パトロールたちは、最強の子犬「マイティ・パウ・パトロール」に大変身。しかし宿敵のライバール市長が、切れ者のマッドサイエンティストのヴィクトリア・バンスと手を組み、マイティパワーを奪おうとする……。
この映画は子ども向けの映画なので、使われている単語や表現は易しいものが多くなっています。話すスピードも比較的ゆっくりで会話も聞き取りやすく、リスニングが苦手な方にもおすすめです。
TOEIC500点からの初級者におすすめ
『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』の再生時間は1時間27分、総語数5410語、フレーズ数は1118です。
リスニング難易度の指標の1つであるWPM(1分あたりのワード数)で比較すると、ネイティブの会話は約160台、早口の人だと約200台、TOEICは平均150台なのですが、『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』の会話部分は平均99です。
TOEICの難易度で表すと500点程度、英検だと準2級レベルの学習者のリスニング学習に最適な作品です。また、ストーリーも分かりやすいので、楽しみながら学習に取り組めるでしょう。
それでは、作中に登場するフレーズの中から、日常シーンでも役立つ表現をご紹介します。
活かせる映画フレーズ
フレーズ1 「by the sound of it」
スクラップ工場で火事が発生。工場で働いている女性は、「火が燃え広がっている!すぐに来て!」とパウ・パトロールに電話を入れます。それを受けた主人公のケントがチームメンバーに述べた一言です。
そして その音によって、あまり時間がありません。
話からすると グズグズしていられない。
“by the sound of it”は、「話からすると」という意味の表現です。人から聞いた話や何かで読んだ情報を受けて、自分の考えや推測を述べる際に使います。
「火が燃え広がってる!すぐに来て!」と聞いたケントは「あまり時間がない」と判断したので、この表現を使いました。
では、ビジネスシーンで使用できる例を1つ挙げてみます。
主要な潜在顧客との電話を終えたところです。 その音によって、彼らは私たちを雇うことに熱心です。
今、主要な潜在顧客と電話をしたのですが、話を聞く限り、彼らは私たちを雇いたいと考えているようです。
ビジネスシーンでは、情報を受けて自分の考えを述べるシーンが多くあると思います。そんな時に使用できるフレーズとして、“by the sound of it”をぜひ覚えておきましょう。
フレーズ2 「That’ a good question.」
魔法の隕石からこぼれ落ちたクリスタルに秘められたマイティパワーを手に入れた子犬たちが、自分のパワーを確かめているシーン。「君のパワーは?」と聞かれた子犬のリバティーは次のように答えます。
それは良い質問です。 私はそれを理解しようとしています。
えーっと、今 見つけてるところ。
“That’s a good question.”は、直訳すると「いい質問ですね」という意味の表現です。しかし、実はこの表現にはもう一つの使い方があります。
答えにくい質問をされた時や答えが分からない時に That’s a good question. と言うことができるのです。日本語でいうと「えーっと」「う〜ん」「そうですね」くらいのニュアンスだと覚えておきましょう。
日常会話での例を挙げるとこんな形です。
今夜の夕食に何を作りたいですか? – ふーむ、 それは良い質問です。 パスタはいかがですか?
今夜の夕食、何を作りたい? – う〜ん、そうだな。パスタはどう?
このように日常会話でも頻繁に使うことができるフレーズです。
フレーズ3 「take matters into (one’s) own hands」
最後に、名シーンからも使えるフレーズをご紹介しましょう。
最も体の小さい子犬スカイが昔を振り返る感動的なシーンです。体が小さいせいで苦労をしたスカイは、「もっといい人生にするには、自分でなんとかするしかない」と言います。その時に使われたフレーズがこちらです。
する必要がありました 問題を自分の手で解決する。
自分で何とかするしかなかった。
“take matters into (one’s) own hands”は、「(本来やるべき人がやらない、もしくは、できないから)自分でなんとかする」という意味で、映画やニュースで使われることが多い表現です。この映画の中でも、重要なシーンで2回使われています。ぜひ探してみてくださいね。
では、このフレーズを使った例文を挙げてみます。
政府はこれらの犯罪者を訴追できなかったため、地元住民は 問題を自分たちの手で解決する。
政府が犯罪者を起訴しないため、地元住民たちは自らの手で問題解決に乗り出している。
ニュース記事や重要な映画のワンシーンでよく登場するフレーズです。ぜひ覚えておきましょう。
今回は映画『パウ・パトロール・ザ・マイティ・ムービー』を題材に、3つの便利なフレーズをご紹介しました。いかがでしたか?
ほかの映画に比べて、使われている英語の難易度が低いので、今まで映画を使った英語学習に挫折してきたビジネスパーソンにもおすすめできる映画です。
ぜひ『パウ・パトロール・ザ・マイティ・ムービー』を題材に英語学習に挑戦してみてくださいね。
幾嶋研三郎:Globee 代表取締役社長。2015年3月に慶應義塾大学法学部卒業。2014年6月、大学在学中にGlobeeを創業。英語学校の運営を通して、IT×英語教育の可能性を感じ、『学習量×学習効率の最大化』をミッションとしたAI英語学習アプリ「abceed」(現在登録ユーザー数400万人を突破)と、『学習支援効率の最大化』をミッションとした反転学習プラットフォーム「abceed for school」の開発を行う。
※今回ご紹介した『パウ・パトロール・ザ・マイティ・ムービー』はabceedで配信中です。
#話を聞く限りは英語でなんと言う #TOEIC500点から挑戦できるパウパトロール #ザマイティムービーに学ぶ #Business #Insider #Japan