高市早苗首相は5日午後の所信表明演説で「必要な政策や改革を先送りせず『強い経済』と『財政の持続可能性』をともに実現する」と訴え、第222臨時国会が5日に召集された。.
「経世済民」を掲げた責任ある積極財政の展開
首相は演説の冒頭で「私が貫く志は『経世済民』だ」と切り出した。国民の手取り増と財政の持続可能性に触れ、「その両方を実現することこそが責任ある積極財政の意味だ」と強調した。戦略17分野・62製品などの「危機管理・成長投資」について内容を説き、今後5年間の国内投資の道筋を示す「日本成長戦略実行計画」を年内に策定する方針を打ち出した。必要な投資は先送りしないと断りつつ、「効果の乏しい事業を漫然と続けることもしない」と明言し、「改革マインドをもって思い切った規制改革を実現する」と約束している。
GDP比目標を中核とした財政運営と物価高対策
財政運営については、国と地方の債務残高を国内総生産(GDP)比で安定的に引き下げる目標を中核に据える。「経済、物価、税収、金利、利払い費、市場の状況などを総合的に検証しながら通年の国債発行額を適切にコントロールしていく」と述べ、「経済や市場が想定と異なる動きを示した場合には影響を分析して対応を機動的に講じる」と明言した。物価高への対応として、食料品の消費税負担の軽減と所得に応じた支援金に取り組むと紹介し、「家計に少しでも『ゆとり』を生み出したい」と訴えている。消費税・支援金の財源に関しては、特例公債に頼らず市場の信認を得られるよう確保すると説明した。

社会保障と人口総合戦略の年末策定方針
超党派の社会保障国民会議に触れ、「参加各党と共有できる部分が多くあった」と協力を呼びかけた。「消費税減税は野党のこれまでの主張にも多く見られた」とも付言している。さらに、人口動態の予測と対応策の全体像を示す「人口総合戦略」を年末に策定すると表明した。「少子化の流れを反転させるとともに、人口減少社会に適応した新たな国のかたちを築かなければならない」と提起している。社会保障や人口減少という構造的な課題に対し、超党派での議論や新たな戦略を通じて対応を急ぐ構えだ。
国際情勢と外交・安全保障に関する姿勢
外交分野では、トランプ米政権が赤根智子所長に制裁を科し国際問題化した国際刑事裁判所(ICC)に言及した。日本がICCや国際司法裁判所(ICJ)に判事を出し支持してきた立場を示し、「法の支配に基づく国際秩序を維持・強化する」と発言している。関係が冷え込む中国については「重要な隣国であり、課題がある中でも長年の積み重ねがある」と指摘した。「共通の課題について意思疎通を図り、国益を守るための対話を進め、建設的かつ安定的な関係を構築する」と意欲を示している。
国会論戦と今後の政治日程の見通し
衆院の議員定数については「今国会での実現に向けしっかり議論いただくことを期待する」と語った。憲法改正は「党派を超えた建設的かつ活発な議論を強く期待する」と促している。5日の所信表明演説を経て、7日から9日には与野党の代表質問が行われる予定であり、消費税減税や経済政策をめぐる本格的な国会論戦がスタートする。