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連邦判事、郵便投票を制限するトランプ政権の大統領令を全米で差し止め

ボストン連邦地方裁判所のインディラ・タルワニ判事は火曜日、郵便投票を制限しようとするドナルド・トランプ大統領の大統領令について、その中核部分の実施を全米規模で差し止める決定を下した。この判断は、11月3日に予定されている中間選挙に向け、連邦政府による選挙ルールの変更を阻止する重要な法的枠組みとなる。 連邦判事、郵便投票を制限するトランプ政権の大統領令を全米で差し止め タルワニ判事は、バラク・オバマ元大統領によって指名された裁判官であり、今回の決定により、米国郵便公社(USPS)が同大統領令に基づいて選挙プロセスに関与することを禁じた。 大統領令の背景と郵便公社の役割 トランプ大統領が3月に署名したこの大統領令は、連邦政府が独自の有権者リストを作成し、そのリストに記載された人物に対してのみ郵便投票用紙を配送するようUSPSに義務付ける内容であった。もし各州がこのリスト提供に応じない場合、USPSは投票用紙の配送を拒否する方針を示していた。 しかし、選挙管理当局からは、この措置が混乱を招き、悪用のリスクを高めるとの懸念が噴出していた。また、郵便労働組合も、郵便配達員が投票用紙の取り締まりを行うことに対して強く反対の姿勢を示していた。 タルワニ判事は、今回の決定に至る過程で、原告である投票権団体らが主張する「大統領令は憲法上の権限を逸脱している」という論点が、訴訟において立証される可能性が高いと指摘した。さらに、同判事は、この大統領令が有権者の間で混乱を引き起こしている現状を重く見ている。 South Carolina州の共和党上院予備選、トランプ氏がダーリン・グラハム氏を支持 広がる法的対立と今後の見通し 今回の決定は、6月にタルワニ判事が出した先行する差し止め命令を拡大するものである。6月の時点では、差し止めの対象は訴訟を起こした23の民主党主導の州およびコロンビア特別区に限られていた。しかし、今回の新たな判断により、郵便公社は全米のどの地域においても、大統領令に基づく新たな投票手続きの導入や有権者リストの作成を行ってはならないこととなった。 Photo: NPR トランプ政権側は、この訴訟の原告には提訴する法的根拠がないと主張し、大統領の権限を擁護してきた。トランプ政権の弁護士スティーブン・ペッツィ氏は、原告側が主張する被害は主観的なものに過ぎず、大統領令の違反によって誰かが罰せられることはないと反論していた。 元米海兵隊員のロバート・ギルマン氏がロシアの拘束から解放され帰国へ 一方で、投票権団体はこの司法判断を歓迎している。リーグ・オブ・ウィメン・ボーターズのマーシャ・ジョンソン氏は、「この判決は有権者と憲法にとっての勝利である」と述べ、大統領や郵便公社には選挙ルールを書き換える権限はないと強調した。 中間選挙を控えた法的ハードル 今回の差し止め命令は、トランプ政権にとって法廷闘争における新たな障壁となる。トランプ政権は7月後半、すでに下級裁判所による差し止め決定を不服として、連邦最高裁判所に介入を求めている。 Judge blocks Trump executive order on mail voting トランプ大統領、イランに対し経済的締め付けに再び軸足を移行 タルワニ判事は、11月の中間選挙まで90日を切った現状を踏まえ、「選挙直前にルールが変更されることを防ぐための差し止め命令が不可欠である」と指摘した。 Photo: The Guardian なお、選挙における大統領令を巡っては、複数の裁判で異なる判断も出ている。ワシントンD.C.の連邦地裁では5月、大統領令がまだ実際に実施されていない段階であることを理由に、差し止めを求める訴えを時期尚早として退ける判断が示され、7月には連邦控訴裁判所もこの判断を支持した。 トランプ大統領は、今回の郵便投票制限令を、非市民による違法投票を防ぐための措置であると主張している。しかし、専門家による複数の調査では、非市民による投票は極めて稀であると結論付けられている。今回の司法判断により、トランプ政権が進めようとしていた選挙制度の変更は、選挙本番に向けて再び暗礁に乗り上げた形となった。 Judge allows President Trump to…

Sean Reid of Rockingham, Vt., casts his ballot at the polling station in Rockingham during Vermont's state and federal

ボストン連邦地方裁判所のインディラ・タルワニ判事は火曜日、郵便投票を制限しようとするドナルド・トランプ大統領の大統領令について、その中核部分の実施を全米規模で差し止める決定を下した。この判断は、11月3日に予定されている中間選挙に向け、連邦政府による選挙ルールの変更を阻止する重要な法的枠組みとなる。

連邦判事、郵便投票を制限するトランプ政権の大統領令を全米で差し止め

タルワニ判事は、バラク・オバマ元大統領によって指名された裁判官であり、今回の決定により、米国郵便公社(USPS)が同大統領令に基づいて選挙プロセスに関与することを禁じた。

大統領令の背景と郵便公社の役割

トランプ大統領が3月に署名したこの大統領令は、連邦政府が独自の有権者リストを作成し、そのリストに記載された人物に対してのみ郵便投票用紙を配送するようUSPSに義務付ける内容であった。もし各州がこのリスト提供に応じない場合、USPSは投票用紙の配送を拒否する方針を示していた。

しかし、選挙管理当局からは、この措置が混乱を招き、悪用のリスクを高めるとの懸念が噴出していた。また、郵便労働組合も、郵便配達員が投票用紙の取り締まりを行うことに対して強く反対の姿勢を示していた。

タルワニ判事は、今回の決定に至る過程で、原告である投票権団体らが主張する「大統領令は憲法上の権限を逸脱している」という論点が、訴訟において立証される可能性が高いと指摘した。さらに、同判事は、この大統領令が有権者の間で混乱を引き起こしている現状を重く見ている。

広がる法的対立と今後の見通し

今回の決定は、6月にタルワニ判事が出した先行する差し止め命令を拡大するものである。6月の時点では、差し止めの対象は訴訟を起こした23の民主党主導の州およびコロンビア特別区に限られていた。しかし、今回の新たな判断により、郵便公社は全米のどの地域においても、大統領令に基づく新たな投票手続きの導入や有権者リストの作成を行ってはならないこととなった。

連邦判事、郵便投票を制限するトランプ政権の大統領令を全米で差し止め
Photo: NPR

トランプ政権側は、この訴訟の原告には提訴する法的根拠がないと主張し、大統領の権限を擁護してきた。トランプ政権の弁護士スティーブン・ペッツィ氏は、原告側が主張する被害は主観的なものに過ぎず、大統領令の違反によって誰かが罰せられることはないと反論していた。

一方で、投票権団体はこの司法判断を歓迎している。リーグ・オブ・ウィメン・ボーターズのマーシャ・ジョンソン氏は、「この判決は有権者と憲法にとっての勝利である」と述べ、大統領や郵便公社には選挙ルールを書き換える権限はないと強調した。

中間選挙を控えた法的ハードル

今回の差し止め命令は、トランプ政権にとって法廷闘争における新たな障壁となる。トランプ政権は7月後半、すでに下級裁判所による差し止め決定を不服として、連邦最高裁判所に介入を求めている。

Judge blocks Trump executive order on mail voting

タルワニ判事は、11月の中間選挙まで90日を切った現状を踏まえ、「選挙直前にルールが変更されることを防ぐための差し止め命令が不可欠である」と指摘した。

連邦判事、郵便投票を制限するトランプ政権の大統領令を全米で差し止め
Photo: The Guardian

なお、選挙における大統領令を巡っては、複数の裁判で異なる判断も出ている。ワシントンD.C.の連邦地裁では5月、大統領令がまだ実際に実施されていない段階であることを理由に、差し止めを求める訴えを時期尚早として退ける判断が示され、7月には連邦控訴裁判所もこの判断を支持した。

トランプ大統領は、今回の郵便投票制限令を、非市民による違法投票を防ぐための措置であると主張している。しかし、専門家による複数の調査では、非市民による投票は極めて稀であると結論付けられている。今回の司法判断により、トランプ政権が進めようとしていた選挙制度の変更は、選挙本番に向けて再び暗礁に乗り上げた形となった。

Judge allows President Trump to implement mail-in voting executive order
執筆者について: nipponese

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