イギリス対テロ警察とグロスタシャー州の警察は27日、同州にあるフェアフォード空軍基地近くで、男性5人を逮捕したと発表した。.
フェアフォード空軍基地周辺での不審車両と逮捕劇
27日未明、グロスタシャー州フェアフォード空軍基地の近くで、3台の不審車両が基地に向かって走行しているとの通報が警察に寄せられた。基地のすぐ東にあるウェルフォード村の農家の女性は同日未明、自宅に戻った際に私道と公道が車両でふさがれ、フードをかぶり覆面をした大勢の男たちがいるのを見たとBBCの取材に語っている。女性が「999」に通報したことで計画が阻止できたという見方を示している。それより1時間近く早い午前0時45分ごろには、逮捕された容疑者の1人が自ら「999」に電話をかけていたことが新たに判明している。警察は「重大事件」として男性5人を逮捕し、現場には爆発物処理班が到着して半径400メートルの規制線が張られた。警察がバンを捜索したところ、車内に一定量のガソリンが見つかったものの、爆発物は発見されなかった。避難させられた85世帯の住民はすでに帰宅が認められ、基地付近の規制線は30日にも完全に解除される見込みとなっている。
逮捕された5人の素性とロンドンでの捜査状況
逮捕された5人はいずれもイギリス国籍で、年齢は23歳から25歳。うち4人はロンドン中心部のウェストミンスターに、1人はロンドン北部のカムデンに住んでいる。警察によると、それぞれの自宅の捜索はすでに完了している。イギリスの対テロ警察を率いるローレンス・テイラー警視総監補は29日、5人の保釈について「経験と戦略に基づいた捜査上の決定」であると説明した。捜査が継続中であるため、容疑者たちの行動や他者との接触に関しては厳しい条件が課されている。テイラー警視総監補は、国民の安全が意思決定の最優先事項であると強調し、保釈という展開に驚く人がいることは理解するが、あくまで捜査に基づく判断であると繰り返した。
アメリカ軍の拠点とイランをめぐる国際的な緊張
フェアフォード空軍基地は数十年にわたり、アメリカ空軍が前方作戦拠点として利用してきた歴史を持つ。直近では、2月28日から米・イスラエルが開始したイラン攻撃に関連して、3月1日に使用された。当時のキア・スターマー英首相が、フェアフォード基地を含むイギリス軍基地をイランに対する防衛的な攻撃のために使用することをアメリカに認めた経緯がある。イランは7月、「イラン領土に対する侵略行為に使用された基地は、イラン軍の正当な標的となる」と警告を発していた。しかし、在ロンドンのイラン大使館は、イランと今回の事案を結び付ける根拠のない悪意に満ちた臆測を断固として否定し、強く非難するとの立場を表明している。
外国勢力の関与と政府首脳による対応
テイラー警視総監補は29日、捜査員たちが複数の筋を調べていると述べ、外国勢力の代理人や、外国政府のためにわざと、あるいはそうと知らないまま活動していた個人が関与していた可能性についても捜査していると明らかにした。この事件については大勢が心配しており、国際的なコメントによってそれはさらに高まっていると警視総監補は指摘している。これはアメリカ政府からの発言を念頭に置いたものとみられる。イギリスのアンディ・バーナム首相は28日午後、政府の緊急事態対策委員会「COBRA会議」を主宰し、当局が事実関係の全容を解明している間は臆測を控えるよう国民に呼びかけた。
今後の捜査の行方と規制線の解除見込み
警察当局は引き続き事件の背景や共犯者の有無を慎重に調べている。基地周辺に張られた半径400メートルの規制線は、安全確認を進めながら30日にも完全に解除される予定である。保釈された容疑者5人に対する捜査条件の履行状況を確認しつつ、テロ対策部門が外国勢力との関連や動機の全容解明に向けた詰めの捜査を急いでいる。