英国は8日、イスラエルから閉鎖を命じられた東エルサレムの総領事館について、規模を縮小して運営を継続すると発表した。名称を「英国代表部(UK Mission)」に変更し、パレスチナとの関係維持を図る。イスラエルは先月、英国による入植地製品の輸入禁止方針を受け、領事館の閉鎖を命じていた。
領事館から「英国代表部」へ名称を変更
英国政府は8日、エルサレムで運営してきた総領事館の建物について、名称を「英国代表部(UK Mission)」に変更して維持すると発表した。ロイター通信によると、英国のミリバンド外相は、イスラエルによる領事館閉鎖命令について「法的権利があるという主張を英国は受け入れない」と明言した。現地では8日、作業員らが「英国領事館」と記された看板を取り外す様子が確認されたが、建物の上には引き続き英国国旗が掲げられている。
閉鎖命令の背景にある入植地製品の規制
今回の措置は、英国政府がパレスチナ自治区ヨルダン川西岸の入植地で生産された製品の輸入を禁止する方針を打ち出したことに対する、イスラエル側の対抗措置とされる。イスラエルは先月、この方針への反発から8日までの領事館閉鎖を命じた。国連や大半の国々は国際法に基づき入植地を違法と見なしているが、イスラエルは一貫してこれに異議を唱えている。英国は先週、国家安全保障担当の最高顧問をイスラエルに派遣して協議を試みたが、イスラエル側の閉鎖姿勢は変わらなかった。
東エルサレムでの外交活動は継続へ
イスラエルのサール外相は声明を通じ、東エルサレムの領事館は「正式に業務を終了する」と説明した。一方で、イスラエルと英国間の合意に基づき、一部の外交官が同建物内で引き続き業務を行うことは許可されている。ミリバンド外相は、名称変更後の英国代表部について「重要なサービスを提供し、パレスチナの人々との協力を続けていく」と強調した。この施設は1839年以来、エルサレムに拠点を置いてきた歴史を持つ。
パレスチナ人との関係窓口としての役割
シェイクジャラ地区にある同施設は、エルサレム市内やヨルダン川西岸、ガザ地区のパレスチナ人との重要な関係窓口として機能してきた。主な役割はパレスチナ人向けの領事業務や対話の維持であり、地域情勢において独自の存在感を示している。なお、今回の閉鎖命令は、イスラエル政府との外交関係を担うテルアビブの英国大使館には影響しない。

- 1839年:エルサレムでの領事館設置年
- シェイクジャラ地区:領事館が所在する東エルサレム内の地区
- 英国代表部(UK Mission):8日付で変更された新名称