日本語版
最新ニュース
日本

米連邦検察、マドゥロ大統領夫妻を拷問共謀罪で起訴 反対派への暴力指示の疑い

米国連邦検察当局は8日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ前大統領とその妻シリア・フローレス氏を、拷問の共謀罪で新たに起訴したと発表した。両氏はすでに麻薬密売などの容疑でニューヨークの拘置所に収監されており、今回の追起訴により、政権下で行われた組織的な人権侵害に対する責任が問われることになる。…

米連邦検察、マドゥロ大統領夫妻を拷問共謀罪で起訴 反対派への暴力指示の疑い

米国連邦検察当局は8日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ前大統領とその妻シリア・フローレス氏を、拷問の共謀罪で新たに起訴したと発表した。両氏はすでに麻薬密売などの容疑でニューヨークの拘置所に収監されており、今回の追起訴により、政権下で行われた組織的な人権侵害に対する責任が問われることになる。

マドゥロ氏夫妻に対する新たな拷問共謀の告発

ニューヨークの連邦地方裁判所で公開された修正起訴状によると、マドゥロ氏とフローレス氏は、政権を維持するために組織的な暴力構造を構築し、政治的反対派や米国市民に対して拷問を指示した疑いが持たれている。検察側は、マドゥロ氏が2013年に大統領に就任して以降、政権に異を唱える人々を抑圧する手段として、恣意的な拘束や暴力、拷問を容認・監督していたと主張している。ニューヨークのジェイミー・マクドナルド連邦検事は、裁判所の外で「この起訴は、考えられないほどの内容を申し立てている」と述べ、マドゥロ氏らが権力を握り続けるために、数千人のベネズエラ人と複数の米国人が拷問されたと指摘した。

米連邦検察、マドゥロ大統領夫妻を拷問共謀罪で起訴 反対派への暴力指示の疑い
写真:DW.com

「彼は特定の個人に対する拷問を承認し、政治的反対派を抑圧する手段として拷問、恣意的な拘束、暴力を利用するシステムを監督した」

起訴状の記述、AP通信経由

起訴状が指摘する拷問の手法には、電気ショック、殴打、窒息のほか、被害者の家族に対する殺害予告といった心理的拷問が含まれる。また、フローレス氏についても、夫と共謀してこの抑圧的なシステムを構築し、家族の違法行為を保護するために特定の個人への拷問を命じた疑いが持たれている。検察側の主張によれば、マドゥロ氏は裁判官の親族を「冷凍庫」と呼ばれる部屋に閉じ込めるなど、司法関係者への拷問も直接指示していたとされる。

米国市民が標的となった拷問の実態

今回の起訴において特に重視されているのは、ベネズエラ国内で拘束された米国市民に対する人権侵害だ。検察当局によれば、マドゥロ政権はベネズエラの不安定さの原因を米国に転嫁し、米国市民を「捕虜交換の材料」として利用するために拘束したケースがあった。ある米国人被害者は、拘束中に後ろから襲われて重傷を負い、長期間の入院を余儀なくされた。別の被害者は、電気ショックや性的暴行を受けたほか、嘔吐物を食べるよう強要されるなどの虐待を受けた。また、ある被害者は、拷問の最中に自身が米国市民であるという理由だけで、「米国との捕虜交換に利用できる」と告げられたという。

US Prosecutors Charge Nicolás Maduro and Wife With Alleged Torture Conspiracy | AC1N

フローレス氏の保釈請求と司法の判断

検察当局は、フローレス氏が収監中に必要な医療措置を受けていることを指摘し、保釈を拒否するよう裁判所に求めていた。ヘラーシュタイン裁判官は、フローレス氏が一部の心臓検査を拒否している事実に触れ、「痛みはない」と述べ、治療環境は整っているとの認識を示した。現在、マドゥロ氏夫妻は2026年1月3日、ベネズエラの首都カラカスで米軍による「外科的な法執行作戦」によって拘束されて以来、ニューヨークのブルックリンにある連邦拘置所に収監されている。フローレス氏側の弁護士は、同氏は「夫を支えるために常にそばにいたいと望んでいる」だけであり、逃亡の意思はないと主張していた。

今後の裁判の行方と免疫権の主張

司法省は、マドゥロ氏側が過去に同様の事案で免疫権を主張しなかった例を挙げ、今回の棄却申し立てを退けるよう裁判所に強く求めている。事件の公判は2027年6月1日に開始予定であり、米国当局は、長年ベネズエラ国内で密かに行われてきた人権侵害の責任を法廷で追及する構えだ。なお、ベネズエラ政府は、マドゥロ氏夫妻の拘束について、現時点では公式な免疫権の行使を求めていない。

米連邦検察、マドゥロ大統領夫妻を拷問共謀罪で起訴 反対派への暴力指示の疑い
写真:Yahoo
執筆者について: nipponese

Nipponese News編集部は、国内外のニュースを日本語で分かりやすくお届けします。