米連邦最高裁判所は10月の第一月曜日、気候変動の影響をめぐりコロラド州ボルダー市・郡が石油大手エクソンモービルとサンコア・エナジーを訴えた訴訟の審理を開始した。州法に基づく損害賠償請求を連邦法で阻止できるかが焦点であり、全米の気候変動訴訟の行方を左右する。
石油大手への州法訴訟をめぐる対立
ボルダー市とボルダー郡は、気候変動による極端な熱波、より大きく頻発する山火事、生態系の破壊といった被害に対し、石油大手の責任を問う訴訟を州裁判所に提起した。ボルダー当局は州法に基づき5つの請求を提起しており、エクソンモービルとサンコアの行為が気候変動の一因であると主張している。
企業側は憲法および大気浄化法を根拠に、州裁判所での審理を阻むよう求めてきた。コロラド州最高裁判所が郡側の主張を認め、州法に基づく訴訟の進行を許可したため、企業側の不服申し立てを経て連邦最高裁が審理する事態となった。
企業側の弁護団は法廷文書で警告している。「全50州、数万の自治体、そして数億人もの個人が、自分たちの地域の裁判所に、国家のための数え切れないほど対立する気候政策を確立するよう求めることを許可することになる」。彼らは大気・水質の規制紛争を解決できるのは「中立かつ統一された連邦法」のみだと主張している。

最高裁の審理体制と判断の行方
アリート判事の不在により、最高裁が4対4の同数で割れる可能性が指摘されている。この場合、下級審であるコロラド州最高裁の判断が維持されるものの、他の事件を支配する先例にはならない。最高裁は双方の弁護士に対し、本件を審理する管轄権の有無を含めて議論するよう求めている。
全米の気候変動訴訟への影響
法学者のアレハンドロ・カマチョ教授は、今回の「先制」の主張について、汚染者や不正行為者が損害賠償を免れるために連邦法を武器化しようとする、これまでで最も野心的な試みの一つであると指摘した。最高裁が石油企業寄りの広範な判決を下せば、カリフォルニア州を含む全米の気候変動訴訟がすべて阻止される可能性がある。
業界は最終的に議会への働きかけが必要になる可能性も視野に入れている。最高裁は今後、本件の管轄権および州法に基づく訴訟の適法性について判断を下すことになる。