米国のトランプ政権が9日、国際刑事裁判所(ICC)に対する制裁を発表しました。これを受け、日本を含む8か国の外相が共同声明で反対を表明したほか、ICCの赤根智子所長も強く非難しています。米国は制裁発動まで180日間の猶予を設けており、今後の協議の行方が注目されます。
日本と欧州諸国による共同声明
日本、英国、ドイツ、フランスなど8か国の外相は、日本時間10日未明に共同声明を発表しました。声明ではICCへの「継続的かつ揺るぎない支持」が強調され、米国の制裁措置に対して「遺憾で、強く反対する」との立場が示されました。この共同声明には、日英独仏のほか、カナダ、デンマーク、イタリア、オランダの外相が名を連ねています。各国外相は11月30日から12月7日に予定されているICC年次総会を見据え、「非締約国との建設的かつ包括的な対話に取り組む姿勢を堅持する」と表明し、米国との交渉を模索する意向を示唆しました。
ICC所長による非難と国際法の秩序
ICCの赤根智子所長は9日、X(旧ツイッター)を通じてビデオ声明を発表しました。赤根氏は今回の制裁について「ICCを設立した加盟国の主権、より広くは国際法による秩序に対する攻撃だ」と強く非難しています。さらに、「力が正しい世界か、法の支配に基づく世界かを選ばなければならない」と述べ、ICCの活動を継続する決意を強調しました。赤根氏は加盟国に対し、これまで以上にICCの活動への協力を呼びかけています。
オランダ首相とEUの対応
ICCが本部を置くオランダのロブ・イェッテン首相は、9日の記者会見で制裁回避に向けた働きかけを続けてきたことを明らかにしました。イェッテン首相は「制裁は直ちに実施されるものではない。対話を続ける時間が十分にある」と述べ、外交的な解決への期待感を示しています。また、欧州連合(EU)のアントニオ・コスタ欧州理事会常任議長もこれに同調し、「ICCの独立性とICC関係者を守ることに全力を尽くす」と表明しました。
今後の協議と対話の展望
- 制裁対象:国際刑事裁判所(ICC)本体
- 主な反対国:日本、英国、ドイツ、フランス、カナダ、デンマーク、イタリア、オランダ
- 猶予期間:180日間
- 重要日程:11月30日~12月7日(ICC年次総会)
今回の制裁措置が最終的にどのような形で着地するのか、あるいは協議によって方針が修正されるのか、今後の各国の外交的な動きが焦点となります。