アメリカ・カリフォルニア州知事選の共和党候補であるスティーブ・ヒルトン氏が公開した新たな選挙広告が、政党の垣根を越えて波紋を呼んでいる。若い女性2人のやり取りを描いた1分間の動画をめぐり、保守派内部での批判や民主党からの指摘が相次いでいると、huffingtonpost.jpが報じた。
スティーブ・ヒルトン氏が公開した1分間の選挙広告の全貌
カリフォルニア州知事選の共和党候補であるスティーブ・ヒルトン氏は、「Just Try It, California(とにかく試してみて、カリフォルニア)」と題された1分間の選挙広告を公開した。親トランプ派の評論家でもある同氏の動画では、薄暗い寝室に座る若い2人の女性のやり取りが描かれている。ピンク色の髪の女性が青い髪の女性に対し、自分の殻を破るよう説得する内容だ。背後にはLGBTQ+のプログレス・プライド・フラッグが飾られており、青い髪の女性が不安げに話す様子が映し出されている。
投票用紙への記入を描いた描写が保守派内部で議論を呼ぶ
動画の中盤では、青い髪の女性が友人の助けを受けながら、郵便投票用紙のヒルトン氏の欄に印をつけている様子が描かれる。「こんなこと、今まで1度もやったことがないから…もしお父さんにバレたらどうしよう?」と声を震わせる女性に対し、友人が手を貸して投票を導く展開となっている。最後に投票メッセージが表示されて広告は終了するが、この演出に対して保守派である共和党の一部から強い反発の声が上がっている。
司法長官選候補や教育局長候補から相次いだ強い批判
司法長官選の共和党候補であるマイケル・ゲイツ氏は、Xでの長文声明でこの広告の「若者の性的対象化」を非難した。フォロワーに対し「カリフォルニアの家族にはもっと良いものがふさわしい」と訴えている。さらに、カリフォルニア州公共教育局長に立候補しているソーニャ・ショー氏もXの動画投稿に対し返信を行った。ショー氏はヒルトン氏やカリフォルニア州共和党、委員長のコリン・ランキン氏に向けて、動画をもてはやしている姿勢を厳しく非難している。ショー氏は母親として、また子供たちの純真さを守るために戦ってきた人間として、これが一線を越えていると主張した。
対立陣営である民主党からの冷ややかな反応と指摘
民主党のメンバーたちも、ヒルトン氏の広告に対して憤りと皮肉が入り混じった反応を示している。民主党議員で米議会平等議員連盟のメンバーであるロバート・ガルシア下院議員は、Los Angeles Times紙に対し、この広告を「奇妙で必死な広告だ」と語った。また、ヒルトン氏の知事選の対立候補であるハビエル・ベセラ氏の広報担当を務めるジョナサン・アンダーランド氏も同紙の取材に答えている。アンダーランド氏は、MAGA支持者がこの広告をめぐって崩壊しているのは、出世のために自身の価値観を捨てる裏切り者としてのヒルトン氏の正体を目の当たりにしたからだと指摘した。
批判に対するヒルトン氏の反応と州知事選の現在の支持率
ヒルトン氏は10月3日にSNSへ投稿した5分弱の動画でこの騒動に反論した。反響は「圧倒的に」好意的なものであったと述べる一方、広告によって不快な思いをした人々に対しては謝罪している。懐疑的な人々に対して寛容さと理解を求め、動機は美しい州と住民全員に対する愛であると付け加えた。カリフォルニア大学バークレー校の最新の世論調査では、知事選の両候補に対する支持は党派によって分かれている。無党派層ではベセラ氏が26ポイントのリードを保っており、全体としてもベセラ氏が58%対33%でヒルトン氏を大きくリードしている状況が続いている。