内閣改造で留任が決まった片山さつき財務大臣は、筑波大学附属高校出身の財務官僚として異彩を放つ経歴を持つ。新潮QUEの調査によると、同校出身の財務官僚は歴代で53人を数える。エリートコースを歩み、政界へ転身した片山氏の軌跡と、省内における筑附勢の存在感に迫る。
財務省の重要ポストを歴任した片山さつき氏の経歴
1982年に東京大学法学部を卒業し、旧大蔵省に入省した片山氏は、女性官僚が少数派であった時代から順当なキャリアを積み重ねた。主税局やフランス留学、証券局を経て、広島国税局海田税務署長に就任。これは西日本初の女性税務署長としての抜擢だった。その後も国際金融局、主計局、銀行局、大臣官房、理財局、関税局と財務省の主要部署を網羅した。2004年には、国家予算案の作成を担う主計局主計官という重要ポストに女性として初めて就任している。翌2005年の「郵政選挙」で政界へ転身し、城内実現経済財政担当大臣をわずか748票差で破ったことは当時大きな注目を集めた。
筑波大学附属高校が輩出する財務官僚の系譜
片山氏の母校である筑波大学附属高校は、国立の名門中高一貫校として知られる。新潮QUEが独自に入手した財務省の「裏名簿」によると、明治以来、同校出身のキャリア官僚は53人にのぼる。教育ジャーナリストの西田浩史氏は、同校の校風について「開成のような体育会系気質とは異なり、かなり自由放任、個人主義的」と分析する。また、同校は永井荷風や星新一といった作家のほか、狂言師の野村萬斎氏、元日向坂46の影山優佳氏、悠仁親王の出身校としても著名だ。かつては東京教育大学附属高校の名称で知られた同校は、東大合格者数ランキングでも常に上位を維持する進学校である。
省内における筑附勢の存在感と出世事情
財務省内には開成高校出身者をはじめとする「最大勢力」が存在するが、筑附勢も一定の存在感を放ち続けている。新潮QUEが入手した資料に基づくと、昭和に入省した筑附出身の官僚は38人に達する。多くの財務官僚を輩出してきたこの環境は、片山氏が主計官という重責を担うに至るまでの土壌の一部とも言える。
教育ジャーナリストの西田浩史氏によれば、「以前と比べると人気や入試難度は下がり気味ではありますが、今なお最難関校の一つであることに変わりはありません」という。
大臣として古巣へ戻った片山氏の今後
政界デビューから20年の時を経て、片山氏は古巣である財務省のトップとして大臣に就任した。為替市場への対応や、ベッセント米財務長官との対話など、現政権における同氏の役割は重要度を増している。留任となったことで、今後どのような政策判断を下していくのか。片山氏が築いてきた官僚としての経験と、そのルーツである筑附の学風が、今後の国家運営にどう反映されるのかが注目される。