2026年11月の中間選挙を控え、共和党が強固な地盤と見なしてきた各州で、民主党が予想外の躍進を見せている。最新のニューヨーク・タイムズ/シエナ大学による世論調査では、トランプ大統領が2024年の選挙で大差で勝利した10の州において、民主党候補が競合、あるいはリードする事態となっている。上院の過半数奪還を目指す民主党にとって、これらの「赤い州」での健闘は、これまでにない新たな可能性をもたらしている。
共和党の盤石な地盤が揺らぐ
ロイター通信等の報道によれば、民主党が上院で過半数を獲得するには、現在共和党が保持する議席から4議席を奪還する必要がある。その戦場は、かつては共和党の牙城とされていた地域にまで拡大した。調査対象となった5州(アラスカ、テキサス、オハイオ、アイオワ、カンザス)において、トランプ氏の支持率は38%から41%の間で推移しており、逆に不支持率は55%から60%に達している。ボストンカレッジの政治学教授デビッド・ホプキンス氏は、「共和党から離れる動きは、青い州(民主党地盤)よりも赤い州(共和党地盤)でやや大きく、トランプ氏が容易に勝利した州さえも接戦に持ち込まれている」と分析する。
主要激戦区の情勢
テキサス州では、民主党のジェームズ・タラリコ氏が51%対45%で共和党のケン・パクストン司法長官をリードしている。パクストン氏は、自身の陣営が主催したイベントで「共和党の中間選挙コンベンション後に支持率が低下した」と発言していたことが録音データで判明しており、苦しい状況が浮き彫りとなっている。また、アラスカ州ではメアリー・ペルトラ氏が、現職のダン・サリバン上院議員に対し50%対43%と7ポイントの差をつけている。さらにカンザス州では、1932年以来民主党の上院議員を輩出していないという歴史的背景があるものの、民主党のアダム・ハミルトン氏と共和党のロジャー・マーシャル氏が完全に並ぶという異例の展開を見せている。
| 州 | 民主党候補 | 得票率 | 共和党候補 | 得票率 |
|---|---|---|---|---|
| テキサス | J. タラリコ | 51% | K. パクストン | 45% |
| アラスカ | M. ペルトラ | 50% | D. サリバン | 43% |
| オハイオ | S. ブラウン | 49% | J. ハステッド | 46% |
| アイオワ | J. テューレック | 47% | A. ヒンソン | 48% |
| カンザス | A. ハミルトン | 45% | R. マーシャル | 45% |
資金戦と経済への懸念
共和党は、こうした事態を重く見て大規模な広告戦略を展開している。テキサス州では、上院リーダーシップ基金がパクストン氏を支援するために1億ドルの広告費を投入する方針を示した。また、全米レベルでは共和党が民主党に対して、今後の広告枠において数百万ドル規模の支出上回りを記録している。しかし、有権者の関心は経済に集中しており、調査では21%が経済を投票の最も重要な争点として挙げた。特にアイオワ州では、農家が関税や燃料・肥料価格の高騰に苦しんでおり、これが共和党の現職候補ヒンソン氏への批判につながっている。