1761618539
2025-10-28 02:01:00
日本航空(JAL)傘下のLCC「ZIPAIR」(ジップエア)は自社保有の全8機に、実業家イーロン・マスク氏率いるスペースXの衛星通信サービス「Starlink」(スターリンク)を2026年3月までに順次導入する。日系航空会社としては初の本格導入だ。
ZIPAIRの幹部が10月27日、Business Insider Japanの単独取材に応じた。取材からはスターリンクの採用を、低価格のためのコスト削減と国際線の快適性向上の「切り札」とする、一種の逆張り戦略であることが見えてきた。
モニターレスLCCが仕掛ける「逆張り」戦略
現在、ZIPAIRが提供する機内Wi-Fiでは、他の航空会社と同様に通信速度はそこまで速くない。SNSやメールの確認程度の用途を前提にしている。取材に応じた同社マーケティング部の関克哉部長によると、これがスターリンク導入後は、機内でNetflixやYouTubeの動画視聴やZoomなどを使ったオンライン会議も利用できるようになるという。
太平洋横断を実現した初のLCCとして北米路線を主力とし、2026年6月開幕のサッカー北中米W杯(アメリカ・カナダ・メキシコ共催)を控える中、「地上と同等、もしくはそれ以上」(関部長)の通信環境を実現し、10時間を超える長距離路線での新たな価値提案を狙う。

LCC、つまり格安航空会社であるZIPAIRの特徴の1つが、全座席にモニターを「搭載していない」ことだ。JALや全日空(ANA)など一般的なフルサービスキャリア(FSC)では、各座席に設置したモニターで映画やドラマなどのエンタメコンテンツを提供している。同社はコスト削減のためにこれをカット。その代わりとして、充電用の電源設備やタブレットホルダーを設置している。

近距離路線ではなくZIPAIRのように太平洋横断の北米直行便を運行する航空会社が全席モニターレスなのは珍しい。

実は、モニターの設備コストは一般に想像するより遥かに高額だ。モニター1台あたり「おおよそ100万円のコストがかかる」(関部長)といい、同社が使用する「ボーイング787-8」(全290席)では、モニターの搭載有無で、単純計算だが2億9000万円分ものイニシャルコスト差が生まれる計算になる。

一方、確かに今や海外旅行にスマホやタブレットを持ち込まない人のほうが珍しい時代だ。関部長はスターリンク機内Wi-Fiの速度について、「各自が常識的な使い方をしていれば問題ない」と説明する。
その言葉通り、290席の大半がストリーミング動画を見ても問題がないのであれば、「モニターレスの席」でも国際線の機内エンタメはFSCに準じたレベルになるのかもしれない。
「モニターがない代わりに各自のスマートフォンやタブレット端末で好きなコンテンツを楽しんでいただく。それに没頭していただき『あっという間に着いた』というフライト体験を提供したい」(関部長)
#格安航空ZIPAIR日系初スターリンク採用に隠された逆張り戦略機内でZoomYouTubeも利用可 #Business #Insider #Japan