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日本のステークホルダー資本主義はここが間違っている。ESG専門家が指摘する「企業中心主義」の終焉 | Business Insider Japan

国際女性デーでもある2024年3月8日(金)、Business Insider Japanとインクルーシブな未来を拓くメディア&コミュニティMASHING UPが、メディアの枠を超えた1Dayカンファレンス「Wellbeing conference ──これからの社会と私たちのウェルビーイング」を開催する。 イベントに先立ち、MASHING UP理事であり、サステナビリティ経営に詳しい夫馬賢治氏に、ESG(Environment:環境、 Social:社会、 Governance:ガバナンス)の現在地や企業の目指すべき姿を聞いた。 Business Insider Japan 夫馬賢治(ふま・けんじ)ニューラル 代表取締役CEO/信州大学グリーン社会協創機構特任教授/ニュースサイト「Sustainable Japan」編集長。サステナビリティ経営・ESG投資アドバイザリー会社を2013年に創業。東証プライム上場企業や大手金融機関のESGアドバイザーを務める。上場企業の社外取締役や、Jリーグ特任理事、国際NGO理事にも就任。日本のESG投資の第一人者として、環境省、農林水産省、厚生労働省や地方自治体のESG分野の政策委員を数多く務めるかたわら、世界銀行や国連大学等でESG金融、サステナビリティ経営などに関する講演を行なっている。一般社団法人MASHING UP理事。 企業に求められているのは「具体的な移行計画」 ──ESGという言葉が聞かれるようになって久しいですが、最近ではどんな動きに注目が集まっていますか。 これまで日本では、ESGと言うと“E(Environment:環境)”の部分が注力されてきました。しかしコロナ禍を経て2023年には、失業の懸念や人権問題といった企業活動が社会に与える影響、つまり“S(Social:社会)”への注目が高まりました。 グローバルでは今、脱炭素社会実現への重要な考え方として「公正な移行(Just Transition)」がさかんに言われています。 これは、“今後、産業が環境を配慮した方向に大きく転換していく際、同時に社会に与える影響も鑑みて、人も地域も持続可能な公正な方法で移行していこう”という概念です。 ──企業活動にはどんなことが求められているのでしょうか? 2024年、特に重要なキーワードだと思っているのが「移行計画(トランジションプラン)」です。 「◯年までにCO2を◯%削減」といった目標を発表している企業は多くありますが、次はその目標達成に向けた具体的なプランを立て実行に移していく段階です。 つまり、企業活動におけるCO2排出量をどうやって削減するのかだけではなく、雇用や社会への影響も含めてスムーズかつ公正に移行するための具体策を打ち出していくフェーズに入っているということです。 そして、移行計画が必要な分野は脱炭素の分野に限りません。 目下のところ生成AIの技術進歩も関連し、その変化に対してどう社会の影響を踏まえた移行計画を策定し、公正な移行を実現していくのか。またDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の観点で、女性やその他のマイノリティが働きやすい組織や、生きやすい社会をどう実現してくのかなど、全ての分野で「移行計画」を策定することを求める声が高まっています。 必要なのは「想像力」と「声を聞く」こと シャッターストック/ストック・フォー・ユー ──移行にあたっては、社会や環境など広範囲に及ぶ影響を考えなくてはならず、企業経営の難易度も増しています。 私は常々、公正な移行のために必要なのは、「想像力」と「声を聞く」ことだと思っています。 社会が変わったらどんな人たちに影響が及ぶのか? 仮に自動車がすべてEVになったら、ガソリンスタンドで働く人の雇用はどうなるのか? まずはその影響範囲を想像する。 そして、自分たちのアクションによって影響を受ける可能性がある人達のリアルな声を聞く、というプロセスを組み込んだ計画をつくる。 具体的な解決策は、まだ行政にも企業にも存在していませんし、調べても答えはでてきません。誰もやったことがないのだから、当然ですよね。…

日本のステークホルダー資本主義はここが間違っている。ESG専門家が指摘する「企業中心主義」の終焉 | Business Insider Japan

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2024-02-21 02:00:00

国際女性デーでもある2024年3月8日(金)、Business Insider Japanとインクルーシブな未来を拓くメディア&コミュニティMASHING UPが、メディアの枠を超えた1Dayカンファレンス「Wellbeing conference ──これからの社会と私たちのウェルビーイング」を開催する。

イベントに先立ち、MASHING UP理事であり、サステナビリティ経営に詳しい夫馬賢治氏に、ESG(Environment:環境、 Social:社会、 Governance:ガバナンス)の現在地や企業の目指すべき姿を聞いた。

Business Insider Japan

夫馬賢治(ふま・けんじ)
ニューラル 代表取締役CEO/信州大学グリーン社会協創機構特任教授/ニュースサイト「Sustainable Japan」編集長。サステナビリティ経営・ESG投資アドバイザリー会社を2013年に創業。東証プライム上場企業や大手金融機関のESGアドバイザーを務める。上場企業の社外取締役や、Jリーグ特任理事、国際NGO理事にも就任。日本のESG投資の第一人者として、環境省、農林水産省、厚生労働省や地方自治体のESG分野の政策委員を数多く務めるかたわら、世界銀行や国連大学等でESG金融、サステナビリティ経営などに関する講演を行なっている。一般社団法人MASHING UP理事。

企業に求められているのは「具体的な移行計画」

──ESGという言葉が聞かれるようになって久しいですが、最近ではどんな動きに注目が集まっていますか。

これまで日本では、ESGと言うと“E(Environment:環境)”の部分が注力されてきました。しかしコロナ禍を経て2023年には、失業の懸念や人権問題といった企業活動が社会に与える影響、つまり“S(Social:社会)”への注目が高まりました。

グローバルでは今、脱炭素社会実現への重要な考え方として「公正な移行(Just Transition)」がさかんに言われています。

これは、“今後、産業が環境を配慮した方向に大きく転換していく際、同時に社会に与える影響も鑑みて、人も地域も持続可能な公正な方法で移行していこう”という概念です。

──企業活動にはどんなことが求められているのでしょうか?

2024年、特に重要なキーワードだと思っているのが「移行計画(トランジションプラン)」です。

「◯年までにCO2を◯%削減」といった目標を発表している企業は多くありますが、次はその目標達成に向けた具体的なプランを立て実行に移していく段階です。

つまり、企業活動におけるCO2排出量をどうやって削減するのかだけではなく、雇用や社会への影響も含めてスムーズかつ公正に移行するための具体策を打ち出していくフェーズに入っているということです。

そして、移行計画が必要な分野は脱炭素の分野に限りません。

目下のところ生成AIの技術進歩も関連し、その変化に対してどう社会の影響を踏まえた移行計画を策定し、公正な移行を実現していくのか。またDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の観点で、女性やその他のマイノリティが働きやすい組織や、生きやすい社会をどう実現してくのかなど、全ての分野で「移行計画」を策定することを求める声が高まっています。

必要なのは「想像力」と「声を聞く」こと

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シャッターストック/ストック・フォー・ユー

──移行にあたっては、社会や環境など広範囲に及ぶ影響を考えなくてはならず、企業経営の難易度も増しています。

私は常々、公正な移行のために必要なのは、「想像力」と「声を聞く」ことだと思っています。

社会が変わったらどんな人たちに影響が及ぶのか? 仮に自動車がすべてEVになったら、ガソリンスタンドで働く人の雇用はどうなるのか? まずはその影響範囲を想像する。

そして、自分たちのアクションによって影響を受ける可能性がある人達のリアルな声を聞く、というプロセスを組み込んだ計画をつくる。

具体的な解決策は、まだ行政にも企業にも存在していませんし、調べても答えはでてきません。誰もやったことがないのだから、当然ですよね。

だから、当事者の声や意見を聞く。そして解像度を上げて、道筋を描く。企業にはそこまでのアクションが求められています。

企業は「人と地球のウェルビーイング」のためにある

シャッターストック /WorldStockStudio

──2024年3月8日(金)に、「Wellbeing conference」を開催します。社会と私たちのウェルビーイングについて、夫馬さんの考えをお聞かせください。

これまで資本主義社会は、企業中心でものごとが考えられ、社会が動いてきました。しかしその「企業中心主義」から脱する必要があります。

そもそも企業の存在意義は、人と地球のウェルビーイングのためにある、という考え方になるべきです。

ダボス会議を主宰している世界経済フォーラムは、数年前に『ステークホルダー資本主義』という本を出版しました。その最大のポイントは、企業を中心に考えるのではなく人と地球のウェルビーイングを中心に描き、企業、政府、NPO、国際社会はその長期目標を達成するために存在していると捉えることを提唱しました。

そこでの企業の役割は、「利益を追求し、長期的な価値創造を目指す」こととされています。利益は人と地球のウェルビーイングを阻害しているというような対立概念ではなく、利益は人と地球のウェルビーイングを実現していくための資本の源泉だと位置づけられています。

2015年にSDGsが策定された際の国連の文書「持続可能な開発のための2030アジェンダ」も同じ考え方に立脚しています。

個々の企業は、成長戦略や経営判断を語る際、果たしてウェルビーイングに対する企業姿勢を明確に説明できるでしょうか。そういった問いに真摯に答えられることが不可欠です。

──最後に、本カンファレンスに期待することを聞かせてください。

3月8日は国際女性デーでもありますから、ウェルビーイングの一つの要素であるDE&Iも重要なトピックの一つになると思います。

例えば女性管理職でいうと、その比率や数に注目が集まることが多いですが、数値はあくまで現状を測る指標に過ぎず、「数値が上がってよかった」で終わってはいけません。

どんな働き方や仕事の仕方が理想的なのか……など、一人ひとりのウェルビーイングに深く迫って考えなければ、本当の課題は見えないからです。

それぞれの立場からのウェルビーイングな未来を作るためにも、さまざまな角度から物事を捉え、認識を共有する場になることを期待しています。

(聞き手:中島日和[Business Insider Japan Brand Studio]、文:黒田あき)


【チケット発売中】3/8国際女性デーにWellbeing conference開催

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Business Insider Japan / MASHING UP

パンデミック以降の社会を再生させる原動力は何か。いまの日本に“本当に必要なもの”とは。そして、地球環境も人も取り残さない、インクルーシブな未来に向けて私たちが取るべきアクションは──。

「人的資本経営」「気候変動」」「DE&I」「DXと新しい働き方」など、企業の成長と存続のために外すことができない「ESG(環境、社会、ガバナンス)」を取り巻く課題と解決策について、立体的に議論します。

■イベント概要

  • イベント名:「Wellbeing conference ──これからの社会と私たちのウェルビーイング」
  • 日時:2024年3月8日(金)12:00〜20:00(予定)
  • 場所:トランク(ホテル)東京都渋谷区神宮前5-31 ※オンラインLIVE配信はありません
  • 主催: MASHING UP、Business Insider Japan
  • 主なコンテンツ:セッション、ワークショップ、ネットワーキングパーティなど(予定)
  • 参加方法:要事前申し込み(定員になり次第締め切らせていただきます)
  • チケット一般価格:1万円(税込)
  • 学生チケット:6000円(税込)

詳細は、順次特設サイトで発表します。みなさまのご参加をお待ちしています。

【MASHING UPとは】
多様な視点で社会課題を捉え未来を考えるメディア&コミュニティ。イベントやメディアを通じ、性別、業種、世代、国籍を超え多彩な人々と対話を深め(マッシュアップして)、これからの社会や組織のかたち、未来のビジネスを考えている。またSDGsゴールで表明される持続可能な開発目標に賛同する人々をサポートし、真にインクルーシブな社会づくりへの貢献を目指している。
URL:https://www.mashingup.jp/

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執筆者について: nipponese

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