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2025-10-10 08:00:00
「金のためにここまでやるのか……だまされた思い」
「高い売り上げ目標を課せられ、今も離職が止まらない」──。
外資系ファンドが、日本企業の株を取得する事例が増えている。
米投資ファンドのベインキャピタルは田辺三菱製薬やヨーク・ホールディングスの株を取得、ティーガイアやスノーピークのTOB(株式公開買い付け)を実施した。またカーライル・グループも、日本KFCやユーザベースを完全子会社化し、カオナビにもTOBを実施。ヨーロッパの投資ファンド・EQTによるベネッセホールディングへのTOBが成立し、富士ソフトは米投資ファンド・KKRの傘下に入った。
近年特に目につく外資による買収だが、実際に買収された会社の社員たちは、どんな環境の変化にさらされているのだろうか。
Business Insider Japanでは外資系ファンドが買収した企業に勤務する社員に、社名非公開のうえ匿名でのインタビューを実施した。
それぞれ別の企業に勤務する3人が語ったのは、厳しく数字に向き合わざるを得ない「現実」だった。
※この記事は2025年4月3日初出です
「見栄えのいい数字」のためコストカット

「ファンドは資金を回収してそれで終わり。私達のビジョンが蔑(ないがし)ろにされているように感じる」
外資系ファンドにTOBされた企業に務めていた50代の男性幹部のAさんはそう話す。
株を取得したファンドが目指すのは、企業価値を向上させ、取得したときよりも高い株価で「再上場させる」か「会社を高く売却するか」だ。
そのためファンドは会社の業績が向上していることを示すため、「数字」を作ることに躍起になる。そのために重要なのが、コストカットだという。
Aさんによるとファンドの傘下に入った後、すぐに劇的な変化が起きたかといえば、そうではなかった。特に「痛みを伴うコストカット」は、じわじわとゆっくりと時間をかけて進んでいるという。
まず行われているのが、管理職を中心に評価の差を大きくすることだった。
「高い役職に昇進させたり、ストックオプションを付与する人事がある一方で、評価をぐっと下げられた人もいる。
ファンドにとって『今後も会社に残ってほしいひと』と『そうではない人』を選別してるのだろう」
ファンドが得意とする事務作業などを担当するバックオフィスの効率化も進んでおり、余剰人員に対して、今後は早期退職を募るという噂も耳にするという。
「まずは管理職から選別をすすめて、だんだんと現場レベルの社員にもその範囲を広げていくやり方をとっている」
コストカットは、人件費に留まらず、成長分野への投資にも波及している。
TOBの前までは、経営の多角化を進める目的でM&Aや新規事業への投資を続けてきたが、ファンドの指揮のもと「シナジーが期待できない」として、それらの投資が大幅に削られているという。
無視された「お客さんのために」という思い

Aさんがファンドに最も失望している理由は、買収前は「経営ビジョンを引き継ぐ」と約束していたにも関わらず、その約束を反故にされたと感じるからだ。
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