国道51号「潮来バイパス」の完成目標年度が、当初の2027年度から3年延長され、2030年度となることが明らかになりました。国土交通省関東地方整備局による事業再評価で決定したもので、施工方法の変更や資材費の高騰などが影響しています。24年前に一部が開通して以降、県道として運用されてきたバイパスが、ようやく全貌を現そうとしています。
24年前から県道として供用されていた潮来バイパスの現状
潮来バイパスは、茨城県潮来市内を計画対象とする全長7.3kmの道路です。このうち、現在建設が進められているのは潮来市小泉から同市延方西までの1.2km区間です。国土交通省関東地方整備局によると、この区間は2027年度の全線開通を目指して工事が進む東関東自動車道水戸線(潮来IC以北)に並行しており、国道51号の現道へ接続する側道のような役割を担うことになります。
一方で、東側の1.3km区間は2002年に開通済みですが、国道ではなく県道(潮来佐原線)として4車線で供用されています。乗りものニュースの報道では、この既存区間は現在、実質的に「潮来ICへのアクセス道路」として機能していると指摘されています。鹿嶋市方面から北浦を渡って潮来市に入ると、バイパスは一度途中の丁字路で左折し、県道潮来佐原線を経由して潮来ICへ向かう線形となっています。
バイパス機能の向上と現道の混雑緩和
今回の事業は、これら既存の道路網を整理し、国道51号の本来のバイパスとしての機能を完成させるものです。新設区間が完成すれば、現道の51号で信号が連続し、速度が低下しがちなJR鹿島線延方駅周辺の交通を回避できるようになります。
これまで「半分だけ整備された状態」で県道として機能していた道路が、新設区間の開通によってようやく本来のバイパスとしての役割を果たす形となります。なお、潮来バイパスの計画のうち、国道51号現道より西側の4.8kmについては、現時点で事業化されていません。

事業費の増額と安全対策の強化
国土交通省関東地方整備局が行った事業再評価の結果、全体事業費が前回の約31億円から約40億円へと、約9億円増額される見通しとなりました。増額の主な要因について、同局は以下の理由を挙げています。
- 施工方法の変更および追加工事の発生
- 材料費や労務単価の高騰
- CCTV(監視カメラ)および「情報BOX」の新規設置
事業区間周辺は海抜が低く、洪水浸水想定区域に指定されています。近年の大雨では周辺道路で滞水が発生しているため、河川氾濫時の状況確認を目的として、新たに監視カメラ等を設置する必要が生じました。
用地取得は完了間近、2030年度の全線開通へ
事業費の増額はあったものの、費用便益比(B/C)は1.2を維持しており、事業の妥当性は確保されていると判断されました。用地取得については、2026年3月末時点で約99%に達しています。
完成年度は当初の予定から3年延長され、2030年度に再設定されました。関東地方整備局は、工事を継続して推進し、早期の開通を目指すとしています。長年、県道として運用されてきたバイパスが、ようやく本来の国道としての姿を見せるまで、あと数年の期間を要することになります。