台風25号に伴う大雨により千葉県酒々井町の住宅地「開運団地」が冠水し、水が引かないまま水位が上昇していると、東京新聞が報じた。近くの盛り土崩落が排水路の流れを止めていることが原因で、住民からは人災を指摘する声が上がっている。
開運団地で続く深刻な冠水被害と住民の不安
家も車も水につかったままの開運団地では、日常から程遠い風景が広がっている。住み始めて9カ月の自宅が床上1メートルまで水につかった40代男性は、東京新聞の取材に対して生き地獄だと心境を語った。台風接近の9月21日夕方から冠水が発生し、住民たちは消防のボートなどで救助された。10世帯以上が床上浸水し、20人以上が避難所生活を強いられている。町のポンプ車がフル稼働しているものの、水が完全に引くめどは立っていない。男性は、町から復旧まで最大3カ月かかるとの説明を受けた。
排水路を塞いだ盛り土崩落と行政代執行の遅れ
被害を大きくした要因について、東京新聞は団地から高崎川へ注ぐ馬橋川の機能不全を挙げている。読売新聞の報道によると、馬橋川沿いには2001年ごろから建設業などの盛り土があり、町は過去の複数回の被害を受けて業者に撤去を求めてきたが、資金難を理由に応じてもらえなかった。そのため今年2月に町は行政代執行に着手し、今回崩落した盛り土も対象として検討していた。避難所の町公民館で生活する鈴木秀俊さんは、水が引いてくれないと何も始まらないと読売新聞に困惑を語っている。
千葉県内各地で相次ぐ無許可盛り土の危険性
千葉県内では、盛土規制法に基づく許可を得ずに造成された盛り土や、行政代執行を検討中の場所など、少なくとも4か所で崩落が確認されたと読売新聞が伝えた。袖ケ浦市大竹では、規制開始以降に無許可で造成された盛り土が崩落し、土砂が市道や水田に流れ込んだ。県や市が複数回にわたって撤去を指導したものの、業者は従わなかったという。また、袖ケ浦市川原井の盛り土は2021年の熱海土石流災害を受けた総点検で災害防止措置が未実施と指摘されていたが、対策されないまま今回は民家の1階部分に土砂が流入した。

相次ぐ台風の接近と印旛沼の復旧作業
FNNプライムオンラインの報道では、台風25号の影響で成田市などにまたがる印旛沼で堤防が決壊するなどの被害が発生したことが伝えられている。国土交通省によると、復旧作業には1日およそ200人態勢であたり、24時間体制で作業が続けられている。決壊した3地点4カ所のうち国が担当する箇所については、30日未明までに氾濫した水の流れを止めるための応急措置が完了し、石などでつながった。しかし、周辺の住民からは相次ぐ台風への不安の声が聞かれている。
