公明党の新代表に就任する予定の岡本三成氏は5日、国会内で記者会見を開き、同日の高市早苗首相による所信表明演説について「経産大臣の所信演説みたいだった」と苦言を呈した。経済政策の比重が大きい一方で、具体的なミクロの生活支援策が欠如していると指摘した。(奥原慎平撮影)
国民生活を重視する姿勢と物価高対策への疑問
強い経済や強い国を作ること自体には大賛成であるとしつつ、岡本氏は「それと同様以上に大切なのは、一人一人の生活を強くしていくことだ」と強調した。政府が掲げる経済政策に対しては「手段がてんこ盛り」であると評し、「その目的に対する手段がこれ、という確認が不十分ではないか」と疑問を投げかけた。賃金の持続的な上昇率の目標や、インフレを考慮したときの購買力、実質賃金、可処分所得の行方など、暮らしの改善に直結する具体的な数値や目標を示すよう求めている。
また、政府が物価高対策として掲げている消費税減税については、「私自身は、物価高対策の手段として賛成したことは1回もない」と自身の考えを明確にした。「消費者に直接恩恵があるから物価高対策。目的が大事だ」と述べ、消費者にどのような恩恵をもたらすかという目的意識の共有こそが重要であると訴えた。
財源と具体的な物価高対策をめぐる3つの選択肢
記者会見の場において、岡本氏は政府案に必要な財源を10兆円と試算した上で、具体的な物価高対策に関する3つの選択肢を記者団に示した。その3つとは、①食料品の消費税減税の政府案、②給付措置、③財政や市場への懸念から何もしない、というものである。さらに、給付を選択する場合の具体的な手法として、一律10万円を支給した上で所得に応じて年末調整で精算するやり方を挙げ、記者団に対して実際に挙手を求める場面もあった。
こうした手法の是非について記者団の反応を確かめた上で、岡本氏は「ほとんどこれです。だから『給付をしてほしい』と言っているわけではない。こういうことを議論するのが国会の役割だ」と強調した。
衆院選公約と消費税減税をめぐる今後の論戦の行方
今年2月の衆院選において、自民党が食料品の消費税減税を公約に掲げて大勝したという経緯を踏まえ、岡本氏は「選挙で約束した公約を守りたいという気持ちは分かる」と一定の理解を示した。その上で、「手段を約束したと同時に、物価高対策で国民の皆さんに喜んでもらえる政策を必ず実現するという目的を約束したと捉えてもいいのではないか」と指摘した。消費税減税という特定の手段だけに固執するのではなく、物価高対策という本来の目的に照らし合わせて政策を再検討するよう求めており、新体制へ移行する公明党が今後どのように政権内の議論を主導していくのかが注目される。