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2024-04-16 00:00:00
北京のビジネス街を歩く人々。
ワン・チャオ/ゲッティイメージズ
- ニューヨーク・タイムズによると、中国の若者は老後のための年金への貯蓄を放棄しているという。
- 高齢化と少子化が年金危機を激化させているからだ。
- 加えて高い失業率や低賃金の仕事も問題となっている。
中国の年金制度は見直しを迫られている。
急速な高齢化、就職難、低賃金への懸念が、この国の若者の心に重くのしかかっている。老後のための貯蓄を完全に放棄するようになった人もいると、ニューヨーク・タイムズ(NYT)が詳細に報じている。
成都に住む30歳の失業者、タオ・スイフト(Tao Swift)さんは、自分が退職する頃に年金があるかどうか分からないとNYTに語っている。
「年金をもらって引退?絶対に手に入るという希望はあまり持ってない」
BBCニュースは、50歳から60歳の中国国民約3億人が、今後10年以内に引退すると報じている。
この年代は中国最大の人口層であり、アメリカの全人口にほぼ匹敵するという。
NYTによると、中国の平均退職年齢は世界で最も低い54歳であり、今後25年以内には、中国国民のほとんどがその年齢を超えることになるという。
一方、経済協力開発機構(OECD)を構成する38カ国(アメリカを含む)での2020年における平均退職年齢は女性が63.4歳、男性が64.2歳となっている。
政府の研究機関である中国社会科学院は、公的年金が今後10年で資金不足に陥ると予測していると、NYTが伝えている。
さらに、少子化が続くということは、労働人口が減少することを意味する。
2023年、中国人民銀行の前総裁である周小川は、公的年金の不足のために多くの中国人が民間の年金や個人の貯蓄に頼らなければならなくなるかもしれないと述べた。
政府はZ世代とミレニアル世代に年金への拠出を続けるよう促しているが、誰もが年金をもらえるようになると確信しているわけではない。
「政府のアピールは逆効果だ」と、北京在住の民間保険エージェント、ルミエール・チェン(Lumiere Chen)(27歳)さんはNYTに語っている。
また、UBSのチーフ・チャイナ・エコノミスト、タオ・ワン(Tao Wang)さんは「高齢化の進行により、今後の年金について懐疑的な人が多い。いずれは支給額が少なくなるのではないかと心配している」と語り、解決策のひとつになりうるのは、「驚くほど低い」定年退職年齢を引き上げることだと付け加えた。しかし、そのような措置はとられていない。
また、高い失業率や低賃金の仕事も問題となっており、ソーシャルメディアの掲示板では、若い人たちが老後のために貯蓄ができるかどうかを疑問視しているとNYTが伝えている。
中国国家統計局によると、2023年12月時点の失業率は、16~24歳が14.9%、25~29歳が6.1%、30~59歳が3.9%だった。
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