メキシコのバハ・カリフォルニア州で、オーストラリア人兄弟のジェイク・ロビンソンさんとカラム・ロビンソンさん、およびアメリカ人の友人カーター・ロードさんが殺害された事件で、現地の裁判所は男3人に対して有罪判決を下しました。被害者らは2024年にサーフィン旅行で訪れたメキシコで、トラックを狙った強盗事件に巻き込まれ、命を落としました。
事件の経緯と裁判の判断
裁判で明らかになったところによると、3人の観光客は人里離れたビーチエリアで殺害されました。被害者の遺体は、頭部に銃撃を受けた状態で井戸の中に遺棄されているのが発見されました。
有罪判決を受けた3人の男は、法的な理由によりフルネームは公開されておらず、ヘスス・ヘラルド(Jesús Gerardo)、イリネオ・フランシスコ(Irineo Francisco)、アンヘル・ヘスス(Ángel Jesús)とだけ特定されています。検察側は各被告に対して150年の禁錮刑を求刑しており、量刑は未定ですが、3人は終身刑に近い期間を刑務所で過ごす可能性が高いとみられています。
なお、主犯格とされるヘスス・ヘラルド(通称「エル・ケカス」)の交際相手については、強盗への関与を認めたため、別の裁判で昨年11月に懲役20年の判決が言い渡されています。
遺族の苦しみと社会への衝撃
ロビンソン兄弟の両親であるデブラさんとマーティンさんは、エンセナダの裁判所に連日足を運び、結審の際に感情を込めた証言を行いました。マーティンさんは「親が息子を失うだけでも辛いことだが、私たちは2人の息子を奪われた」と悲痛な胸の内を語り、デブラさんは「私たちが思い描いていた彼らとの未来が奪われた」と訴えました。カーター・ロードさんの家族も、ビデオリンクを通じて裁判に参加しました。
この事件は世界中に衝撃を与え、特にオーストラリアで大きな悲しみを呼びました。通常は暴力とは無縁と思われていたエンセナダの海岸地域で起きたこの凄惨な事件は、観光客に親しまれてきたこの街の治安に対する懸念を浮き彫りにしました。当局は、3人が「たまたま居合わせた場所が悪かった」ために命を落としたと説明しています。
事件発生後、エンセナダのサーファーたちは海に花を投げ入れる追悼パドルアウトを行い、犠牲者を悼むとともに、観光地としての安全強化を訴えました。バハ・カリフォルニア州のマリーナ・デル・ピラール・アビラ知事は、観光客の不安を払拭しようと努め、州として安全な観光環境を維持し続けると表明しています。
被害者らはメキシコに入国してからわずか36時間後に殺害されました。彼らの遺体が発見され、家族によって身元が確認されたのは、その1週間後のことでした。