2026年9月6日午後2時頃、マイアミ国際空港でアマゾンの貨物機が滑走路をオーバーランし、少なくとも5人が死亡、5人が負傷する事故が発生した。事故機であるPrime Air 7598便(ボーイング767-300)は、プエルトリコのサンフアンから到着した直後、滑走路を突き抜けて空港周辺の倉庫作業員らが利用する道路に進入し、複数の車両に衝突して炎上した。
被害状況と救助活動
当局によると、死者は5人で、負傷者のうち3人が重体、2人が軽傷で入院している。マイアミ・デイド救助消防局のレイ・ジャダラ局長は、機体に火が回ったことで機長と副操縦士がコクピットに閉じ込められたほか、車内に閉じ込められた人々や、車両の下敷きになった人物の救出作業が必要だったと述べた。
消防隊は空港専用の消火剤(フォーム)を使用して鎮火にあたったが、日曜夜遅くまで機体からの燃料漏れへの対応が続いた。9月7日午前9時時点で、空港広報担当のグレッグ・チン氏は、機体はまだ移動されておらず、4本の滑走路のうち2本が閉鎖されたままであると明らかにしている。
原因分析と機体の背景
元運輸省監察総監でパイロットのメアリー・スキアボ氏は、オンラインに投稿されたビデオに基づき、機体が機首を上げて接地させる動作(フレア)をせずに長時間滑走路上で浮遊していたと指摘した。事故当時は雨は降っていなかったが、強い風と暗い嵐の雲が報告されており、スキアボ氏は追い風が滑走路の消費を早め、オーバーランに寄与した可能性があると分析している。

また、米連邦航空局(FAA)によれば、全米の120以上の空港にはオーバーランした機体を安全に停止させるシステムが導入されているが、マイアミ国際空港にはこの設備が備わっていない。国家運輸安全委員会(NTSB)は、ロシア企業による所有歴を含む当該機のメンテナンス履歴を詳細に調査する方針だ。このボーイング767は機齢32年で、2015年に貨物機に転換された。なお、運航はノースカロライナ州に拠点を置く21 Air社が担っていた。
空港への影響
労働者の日(レイバーデー)の旅行ラッシュと重なったこの事故により、マイアミ国際空港では大規模な混乱が生じた。FlightAwareによると、日曜夜までに160便以上の欠航と325便近い遅延が発生した。9月7日時点でも、少なくとも55便が欠航し、100便以上が遅延している。