スペインの首都マドリードで、ペドロ・サンチェス首相は10月5日月曜日にテレビ演説を行い、11月29日への総選挙の前倒しを正式に表明した。
本来の任期満了である2027年8月まで時間がある中での異例の解散・総選挙となる。背景には、政権の基盤である少数党連合が肝いりで進めてきた住宅関連の緊急法令案が、前週の金曜日に下院議会で否決されたという決定的な打撃がある。議会での敗北は、住宅価格の高騰や相次ぐ立ち退き問題に対する国民の不満が最高潮に達している最中に起きた。

先週末にはマドリードをはじめとする国内各地で数万人規模のデモ隊が街頭に繰り出し、手頃な価格の住まいを求めて声を上げた。
住宅危機の激化と立ち退き事件
住宅問題をめぐる怒りは、マドリードの自宅アパートで何十年も暮らしていた87歳のマリカメン・アバスカルさんが前月に立ち退きを迫られた事件をきっかけに、1週間以上にわたってさらに激化していた。手頃な賃貸契約の自動更新や、脆弱な借受人の立ち退き制限などを盛り込んだ政府の住宅関連法令案は、野党からの反対に遭って否決された。
マドリードの中心部では、改革を求める数百人のデモ参加者が数週間にわたりテント村を占拠して抗議を続けている。住宅問題が国民の大きな関心事となる中、テレビ中継されたマリカメン・アバスカルさんの立ち退き事件は強い国民的怒りを呼び起こした。
左派の小政党「スマール」とともに2023年から少数連立政権を率いてきたサンチェス首相は、国家予算の承認や法案の可決にあたって野党や少数会派との困難な交渉を強いられてきた。

首相の解散表明と野党の反応
首相は月曜日の演説において、国民の支持を更新し、議会でより幅広い進歩的な過半数を確保する必要があると訴えた。「国民の支持を更新する必要がある」と述べ、社会改革を進めるためのより強力な議会基盤の必要性を強調している。さらに、「スペイン人が自分たち自身と国の将来のためにどのような未来を望むのかを決める時が来た」と国民に呼びかけた。
主要な野党である保守派の国民党(PP)は、最新の世論調査で社会労働党をリードしているものの、単独過半数には届かないと予想されており、政権を樹立するためには極右政党「ボックス」の支持を必要とする見通しである。国民党のアルベルト・ヌニェス・フェイホオ党首は、選挙実施の発表直後に「ついにスペイン人が決断を下す」と述べた。
国民党(PP)のアルベルト・ヌニェス・フェイホオ党首は「8年間で十分でなかったのなら、なぜさらに4年間で十分だと言えるのだろうか」と述べた。