俳優のマーク・ラファロ氏がインスタグラムでパラマウントとワーナー・ブラザース・ディスカバリーの合併を痛烈に批判したことを受け、パラマウント側が声明を発表した。同社はラファロ氏の投稿を「反ユダヤ主義的」と非難し、ビジネス上の紛争においてこのような比喩を用いることは容認できないと強く反発している。
マーク・ラファロ氏による合併批判とオラクル社への言及
ラファロ氏は、オラクル社のサフラ・カッツ氏がイスラエル軍の作戦を支援する技術について語った過去の映像を引用し、ラリー・エリソン氏がその資金を息子の買収計画に充てていると指摘した。ラファロ氏は、これらの技術が「本当に恐ろしい技術」であると主張し、合併後の巨大企業が将来的に市民を監視・抑圧する手段として悪用される可能性について警告した。また、ラファロ氏は今回の買収を「違法」と呼び、ラリー・エリソン氏を「古典的なオリガルヒ(新興財閥)」と表現している。
「ラリー・エリソンは『パラ・ブラザーズ』の大部分を所有することになるだろう。ラリーは古典的なオリガルヒだ。彼らは労働者を押しつぶし、自らの権力と集中的な支配のために世界の富を統合している」 マーク・ラファロ、インスタグラム投稿より
パラマウント側の反論と「反ユダヤ主義」への言及
この批判に対し、パラマウントの広報担当者は異例の声明を発表した。同社は、ビジネス上の論争において「ジェノサイド(大量虐殺)」や「アパルトヘイト」といった言葉を用いることは、実際の苦しみを軽視する行為であり、誤りであると強調した。同社はラファロ氏の投稿に含まれる比喩を「反ユダヤ主義的」と断定し、いかなる差別も容認しない姿勢を明確にしている。

「私たちは常に、ビジネス上の紛争において反ユダヤ主義的な比喩が持ち出されることに困惑しています。『ジェノサイド』や『アパルトヘイト』といった言葉を企業取引に適用することは、間違っているだけでなく、それらの言葉が本来意味する現実の苦しみを安っぽいものにしてしまいます」 パラマウント広報担当者、公式声明より
パラマウント側は、今回の論争を「冷静になるための瞬間」と位置づけ、このようなレトリックではなく、法的なメリットに基づいて合併が判断されるべきだと主張した。同社は、合併が業界を縮小させるのではなく、強化するものであると繰り返し強調している。
合併を巡る法的争いと業界への影響
今回の買収計画は、規制当局や労働組合からも厳しい監視を受けている。現在、カリフォルニア州のロブ・ボンタ司法長官を含む12州の司法長官が、独占禁止法上の懸念から合併阻止を求めて提訴している。業界関係者からは、今回の合併によりロサンゼルス郡で今後3年間に約4,500人の映画・テレビ関連の直接雇用が失われる可能性があるとの指摘も出ている。
