2026年8月14日、アリゾナ州第8選挙区の連邦下院議員候補であるバーナデット・グリーン=プラセンティア氏が、選挙ポスターの修理中に2人の男から暴行とレイプの被害に遭ったことを公表した。同氏は事件をマリコパ郡保安官事務所に届け出ており、現在捜査が進行中である。
事件の経緯と捜査状況
民主党から連邦下院議員選挙に立候補しているトラック運転手兼小規模事業者であるグリーン=プラセンティア氏は、8月14日午前2時過ぎ、サンシティの駐車場で選挙ポスターを修理していた際に襲撃を受けた。同氏によれば、背後から頭部を殴打されて意識を失い、目覚めると男にレイプされている状態だったという。その後、もう一人の男が近づいた際に抵抗を試みると、その男は「割に合わない(Not even worth it)」と暴言を吐き、犯人らは被害者を駐車場に放置して立ち去った。
事件当時の記憶は断片的で、同氏は自身がどのように立ち上がり、帰宅したのかを覚えていないと語っている。事件後、同氏は広範囲にわたる痣や3日間にわたる膣出血、脳震盪の疑いといった身体的苦痛に見舞われた。警察の報告書によると、同氏は事件直後に3回のシャワーと1回の入浴を済ませていた。また、犯人らの外見については特定できていないが、白人であると推測しており、一人が小さな足で黒いブーツを履いていたこと、襲撃の最中に「民主党のビッチ」という罵声を浴びせられたことを当局に証言している。

同氏は8月31日にマリコパ郡保安官事務所へ被害を届け出た。報告書によると、襲撃の正確な場所は特定されていないものの、サンシティ内のベル・ロード南側、99番アベニュー北側のエリアで発生した可能性があるとされている。同事務所は捜査が継続中であることを確認しているが、現時点では医療機関での診察記録や痣の写真は提出されていないとしている。
公表を決意した背景と候補者の声明
被害公表に至るまで、同氏は選挙キャンペーンから約2日間姿を見せず、陣営マネージャーのアイザイア・ロペス氏や夫のアレックス・プラセンティア氏とも連絡が取れない状態が続いた。夫のアレックス氏は、当時の同氏の様子について「何かがおかしい」と直感したと述べている。事件の数日後、同氏は陣営のボランティアに車でチャンドラーでの遊説へと向かったが、激しい頭痛に悩まされていた。
陣営の広報担当者は、公の場でこの経験を語ることは本人にとって極めて困難な決断であったとし、サバイバーが孤立しないための支援の重要性を強調した。同氏は「女性に対して、それについて話してもいいのだと伝えなければならない」と述べている。
対立候補および関係者の反応
この事件に対し、現職の共和党下院議員で、選挙における対立候補であるエイブ・ハマデ氏も声明を発表した。ハマデ氏は被害報告を極めて不穏な話と評し、当局に対して徹底的な捜査を求めた。
「この深刻な疑惑について、可能な限り全ての防犯カメラ映像を精査するなど、当局が徹底的に捜査し、犯罪を最大限に処罰することを求めます。自分のコミュニティで犯罪の被害者になるべきアメリカ人は一人もいません」
エイブ・ハマデ、現職連邦下院議員
グリーン=プラセンティア氏の友人であるステファニー・シマセック州下院議員は、9月初旬に本人から直接被害を聞かされ、「胃がひっくり返るような思いで、非常に動揺した。私にとって大きな警鐘となった」と振り返った。また、アリゾナ州の民主党関係者や知事事務所も事態を注視している。