米国防総省が韓米合同軍事演習の大幅縮小に踏み切った一方、北朝鮮の金正恩総書記が兵器級核物質の増産を指示した。ドナルド・トランプ米大統領は今年後半の首脳会談開催に意欲を示しているが、北朝鮮側はこれに冷ややかな反応を見せている。
トランプ米大統領による異例の軍事演習縮小と核戦力を巡る発言
ドナルド・トランプ米大統領は水曜日、北朝鮮が57発の核兵器を保有していると言及し、今年後半に北朝鮮の金正恩総書記と会談を行う見通しを示した。トランプ大統領は金氏との良好な個人的関係を擁護し、自身と金氏の緊密な関係は「良いことだ」と主張した。また、金氏を a very powerful player
と称し、北朝鮮が核兵器を保有するに至った背景には過去の米政権の責任があると非難した。
この発言に先立ち、トランプ大統領は今週、韓米合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・シールド」を大幅に縮小するよう命じている。演習が北朝鮮に対して「威圧的で敵対的な」シグナルを送ると主張し、軍事的なトーンを和らげる姿勢を見せた。しかし、この米国側の動きに対して北朝鮮側は直ちに態度を硬化させている。
金正恩氏の指示と金与正氏による米国の政策批判
米国が演習縮小などの柔軟姿勢を示す一方で、北朝鮮国内では強硬な動きが続いている。金正恩総書記は火曜日に、兵器級の核物質の生産を急ピッチで増産するよう命じた。さらに、木曜日には朝鮮半島の東海岸に向けて約10発の短距離弾道ミサイルを発射したと、韓国軍が発表している。専門家らの分析によると、これらのミサイル発射は進行中の韓米合同演習に対する強い抗議の意図があったとみられている。

金正恩氏の実妹であり、朝鮮労働党の有力者である金与正氏は、米国の演習縮小措置を不十分であるとして一蹴した。米国の対北朝鮮政策は依然として敵対的であると批判し、トランプ大統領が強調する個人的な信頼関係とは裏腹に、米国が政策を改めない限り要求に応じることはないとの立場を明確にした。
朝鮮中央通信(KCNA)をとおして金与正氏は、米国側が今回講じた措置を何らかの「善意のジェスチャー」として売り込もうと試みても、望むような答えは得られないだろうと述べた。
外交再開への思惑と厳しい交渉のハードル
専門家が分析する外交の限界と今後の展望
慶南大学極東問題研究所のリム・ウルチョル教授は、北朝鮮が指導者間の個人的な親交と国家の安全保障戦略を完全に切り離して考えている点を強調する。北朝鮮は首脳間の関係を「極めて優れている」と称賛しつつも、それが戦略的な防衛能力の強化を阻害することは決して許されないというシグナルを送り続けている。
